インターナショナル新書<br> 我々の死者と未来の他者―戦後日本人が失ったもの

個数:
電子版価格
¥935
  • 電子版あり

インターナショナル新書
我々の死者と未来の他者―戦後日本人が失ったもの

  • ウェブストアに3冊在庫がございます。(2025年06月24日 04時31分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784797681376
  • NDC分類 304
  • Cコード C0236

出版社内容情報

なぜ日本人は「気候変動問題」に対する関心が低いのか。
そのヒントは司馬遼太郎や吉本隆明、村上春樹らの作品にあった。
社会学から現代思想、文学、サブカルチャーにまで精通する著者が、司馬遼太郎や村上春樹らの小説、さらに『鬼滅の刃』『虹色のトロツキー』『満州アヘンスクワッド』などの漫画作品から、過去・未来と現在との「分断」の正体を暴く。日本人が切り捨ててきた〈我々の死者〉、そして〈未来の他者〉とは何か。戦後の日本社会に対する「解像度」が上がる一冊!

(目次より)
第1章 〈死者〉を欠いた国民
第2章 トカトントンは鳴り響く
第3章 二段階の哀悼――意義と限界
第4章 仮象としての大衆
第5章 青みどろの生き物だけがいた
第6章 スロウボートは中国に着いたか

(プロフィール)
大澤真幸(おおさわ・まさち)
社会学者。1958年、長野県生まれ。千葉大学文学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を歴任。思想誌『THINKING「O」』(左右社)主宰。現代社会の諸現象を、高度なロジックで多角的に検証する。著書に『不可能性の時代』(岩波新書)、『三島由紀夫 ふたつの謎』(集英社新書)、『社会学史』(講談社現代新書)、『新世紀のコミュニズムへ』(NHK出版新書)など多数。

内容説明

なぜ日本人は、気候変動問題に対する関心が低いのか。そのヒントは司馬遼太郎や村上春樹らの小説、さらに『鬼滅の刃』『虹色のトロツキー』などのマンガ作品にあった。「未来を変えること」と「過去を新たに見出すこと」は別のものではない。両者は同じ対象を二つの側面から眺めたのであり、その視線は緊密に結びついている。日本人が切り捨ててきた“我々の死者”、そして“未来の他者”をキーワードに、過去・未来と現在との「分断」の正体を暴く。

目次

第1章 “死者”を欠いた国民
第2章 トカトントンは鳴り響く
第3章 二段階の哀悼―その意義と限界
第4章 仮象としての大衆
第5章 青みどろだけがいた
第6章 スロウ・ボートは中国に着いたか

著者等紹介

大澤真幸[オオサワマサチ]
社会学者。1958年、長野県生まれ。千葉大学文学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を歴任。思想誌『THINKING「O」』(左右社)主宰。現代社会の諸現象を、高度なロジックで多角的に検証する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

40
著者は社会学者だが、本書は文芸批評であり、その上での社会批評だ。文芸批評はエビデンスがないと言われ、説得力に欠けるというのが、読まれていない理由だと思う。著者は以前から加藤典洋『敗戦後論』の仕事を評価している。加藤の論は複雑で、論理を文学の力で乗り越えるところがあった。著者はこれを整理して、日本の戦争の死者たちに対して、あなたたちを裏切ることになると哀悼を示し、次いでアジアの犠牲者に対して謝罪するという、加藤が直接言っていない論として更新した。ではなぜこれが現在の我々に関係があるのか。日本が世界の問題に対2024/05/15

特盛

21
評価2.9/5。日本人が環境問題へ関心が無かったり、世界の人々みたいにデモをしないのは、「我々の死者」を持たず、「未来の他者」を持てないからだ、と著者は言う。戦後の加藤典洋の敗戦後論、鬼滅の刃や村上春樹や太宰など、幅広い思想・文芸批評が関連してなされる。過去の死者ー未来の他人ーアクション、という接続の必然性の宣言がずっと「なんで?」と引っかる。何故それがそこまで確からしく言えるのか?その後、いかに死者を持っていないか、という論証含め後段が頭にあまり入ってこなかった。文芸批評という点では面白いが・・・2024/07/17

nbhd

19
ざっくりいえば、加藤典洋さんの「敗戦後論」が提起した問題を、できるだけわかりやすく解説したうえで、その問題は、村上春樹さんの「ねじまき鳥クロニクル」に内包された文学的論理によって解決できるんじゃね?といった内容の本。大澤真幸さんのウルトラCな思考展開&奇妙かつ強烈なロジックの連続爆撃は、むしろ人文エンタメの領域にあり、途中読み飽きることがなかった。物理学の「量子重ね合わせ」を人文の論理に持ち込む当たりの勢いがマジすごかったわ。内容の好き嫌いは人それぞれだけど、加藤典洋論、「敗戦後論」論として素晴らしかった2024/07/05

marco

13
世界において日本人は気候変動問題に相対的に無関心であるのはなぜか? それは「未来の他者」への眼差しが不足している、とも言い換えることができるが、それはなぜなのか? それは、過去から現在において“断絶”があったから──断絶とはつまりは第二次世界大戦の敗戦であり、過去と現在の架橋に挑んだ作家として、司馬遼太郎、村上春樹の作品を取り上げ推論を重ねていく。本書は、「失ったもの」を取り戻そうとする大澤真幸の挑戦の書である。2025/06/12

ユーユーテイン

11
「鬼滅の刃」と日本人が気候変動問題に無関心なことがどうしてつながるのか。そんな興味をもって読み始めた。まずは著者の近代日本文学に関する造詣の深さに驚嘆した。著者は、日本人が環境問題を含む「未来の他者」に関心が薄いのは、太平洋戦争に敗戦した先人「我々の死者」とつながっていないからだという考えに立って、小説やマンガ作品の中に現在の日本人が範とすべき戦時下の人物を見出そうとする。しかし、本命の人物は存在していない。まもなく戦後80年、日本は過去とのつながりを明確に自覚しないまま、未来を築いていくのだろうか。2024/07/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21847905
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品