出版社内容情報
世界で宗教が必要とされてきた5つの理由
世界の多くの人たちが、人間が生活していく上で宗教は必要なものだと考えている。その根源的な理由を具体的な宗教を例にわかりやすく解説。そして今の私たちにも宗教が必要かどうかを考えていく。
内容説明
この本の目的は、今まで宗教がどうして必要とされてきたのか、その理由を考えてみることにあります。その点を見定めていくことで、今の私たちにも宗教が必要なのかどうかを考えていきます。
目次
第1章 人は死ぬから宗教を求める(人を弔うという人間ならではの行為;日本古代の葬法 ほか)
第2章 宗教体験の魅力は大きい(漱石の『門』に描かれた宗教体験;漱石自身の体験 ほか)
第3章 ご利益もなくてはいけない(呪術的な病気治し;信仰しさえすれば豊かになれる ほか)
第4章 宗教がなければモラルもない(なぜ『武士道』は書かれたのか;モラルの基礎としての武士道 ほか)
第5章 神が究極の親であるならば(多神教にも違いがある;同じ神でも根本的な性格が違う ほか)
著者等紹介
島田裕巳[シマダヒロミ]
1953年、東京都生まれ。宗教学者、作家。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術センター特任研究員などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒデキ
37
日本の宗教観が、世界では、珍しいモノだという 問いかけから始まる 島田先生の得意の新宗教を成り立ちの部分で語りながら、 宗教とは。。。 にやさしく迫っていきます 日本の宗教の成り立ちには、著者の他の作品と同じで 仮説は、述べられてないので もう一歩欲しいなあと思ってしまいます2024/08/31
masa
15
日本のような侵略を受けずにきた国には共同体の倫理が生きているので宗教の倫理がそこまで必要なく、そのような日本の共同体の倫理を日本教と表現しているのが面白い。また外国だと、無宗教だとモラルが欠けていると受け取られてしまう理由にとても納得した。2013/11/10
Humbaba
10
行動を律するためには、強い力が必要である。諸外国においては、その力とは神の力となる。そのため、宗教が大きな価値を持ち、必須のものと考えられている。しかし、定期的に震災が襲ってくる日本においては、そのような絶対な力を信じることはできなかった。そのために、神域という特定の場所においてのみ人間と交信するという考え方が日本では優位となっていた。2015/03/11
しましまこ
7
海外では宗教教育で道徳を学ぶそうな。無宗教と言ったらモラルがないと思われ、驚かれるのかと納得。宗教に頼らなくても、社会にモラルが行き渡る仕組みが出来上がっていると言うこと。「徳」と果てのない「道」の観念、面白かった。そういや家守綺譚で隣のおかみさんが「功徳をお積みなさいまし」なんてさらっと言っちゃうシーンがあったな、いいなあ。とまた脱線。2014/06/07
KN/時間が取れないのでただ今記録のみ
6
◎17/038◎宗教について勉強するために手に取った中の一冊です。三冊目ともなると他の本で読んだことを反芻する場面がありました。違った点は、小説作品に出てくる例をあげたり、武士道について言及していたり。日本人はやはり無宗教という宗教にとらわれがちだなと思いました。人が宗教を求める理由と、宗教の成り立ち、運営資金等の経済的な面について、知りたいことの概要はおおよそ把握できました。今後もちょこちょこ学んでいこうと思います。2017/12/06