内容説明
一九四九(昭和二四)年七月一五日夜九時二〇分頃、国鉄中央線三鷹駅構内に滞留していた無人電車が突然動き出した。ホームに突っ込み車止めを突破、駅舎横手の交番を破砕し、さらに道路を横切り駅前運送店に飛び込みようやく停止した。この事故でホームの乗客ら六名が即死、二〇名が重軽傷を負った。この年は全国で怪奇な鉄道事故が勃発し、とくに、七月から八月にかけては、「下山事件」「松川事件」と凄惨な事件が相次いでいた。本書は、いまだ謎に包まれた「三鷹事件」の全貌を、関係者インタビューと膨大な公判資料、新発見のGHQ資料などを駆使して解明。解説は森達也。
目次
1949年の夏それぞれ
1949年・真夏の夜の出来事
事故発生は予告されていた
「逆コース」のなかでの攻防
狙い撃ちされた国鉄労組
運命の時―竹内景助の7月15日
フレームアップの始まり
犯行シナリオはこうしてつくられた
検事による「自白」強要
変転した竹内景助の「自白」
第一審はいかに進行したか
ついに第一審判決下る
GHQによる裁判への介入
物証なき自白裁判の怖さ
無期懲役から死刑判決へ
再審への闘いはつづく
「執行命令なき死刑」で無念の獄死
三鷹事件・50年目の検証
著者等紹介
片島紀男[カタシマノリオ]
テレビディレクター。1940年、東京北区東十条生まれ。1963年慶応義塾大学法学部卒業後、NHK入局。九州・沖縄の近現代史を人物で描く番組作りに取り組む。1984年に東京転勤以後、教養番組、特集番組を担当。日本、アジアの現代史を一人の人間および群像で描くドキュメンタリー番組を作り続ける。志賀信夫著『映像の先駆者・125人の肖像』(NHK出版)により「執念の取材で発掘した同時代史」をディレクターとして取り上げられる。現在「放送人の会」会員
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