新風舎文庫
三鷹事件―1949年夏に何が起きたのか

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  • サイズ 文庫判/ページ数 990p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784797495829
  • NDC分類 326.23
  • Cコード C0195

内容説明

一九四九(昭和二四)年七月一五日夜九時二〇分頃、国鉄中央線三鷹駅構内に滞留していた無人電車が突然動き出した。ホームに突っ込み車止めを突破、駅舎横手の交番を破砕し、さらに道路を横切り駅前運送店に飛び込みようやく停止した。この事故でホームの乗客ら六名が即死、二〇名が重軽傷を負った。この年は全国で怪奇な鉄道事故が勃発し、とくに、七月から八月にかけては、「下山事件」「松川事件」と凄惨な事件が相次いでいた。本書は、いまだ謎に包まれた「三鷹事件」の全貌を、関係者インタビューと膨大な公判資料、新発見のGHQ資料などを駆使して解明。解説は森達也。

目次

1949年の夏それぞれ
1949年・真夏の夜の出来事
事故発生は予告されていた
「逆コース」のなかでの攻防
狙い撃ちされた国鉄労組
運命の時―竹内景助の7月15日
フレームアップの始まり
犯行シナリオはこうしてつくられた
検事による「自白」強要
変転した竹内景助の「自白」
第一審はいかに進行したか
ついに第一審判決下る
GHQによる裁判への介入
物証なき自白裁判の怖さ
無期懲役から死刑判決へ
再審への闘いはつづく
「執行命令なき死刑」で無念の獄死
三鷹事件・50年目の検証

著者等紹介

片島紀男[カタシマノリオ]
テレビディレクター。1940年、東京北区東十条生まれ。1963年慶応義塾大学法学部卒業後、NHK入局。九州・沖縄の近現代史を人物で描く番組作りに取り組む。1984年に東京転勤以後、教養番組、特集番組を担当。日本、アジアの現代史を一人の人間および群像で描くドキュメンタリー番組を作り続ける。志賀信夫著『映像の先駆者・125人の肖像』(NHK出版)により「執念の取材で発掘した同時代史」をディレクターとして取り上げられる。現在「放送人の会」会員
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ikuto Nagura

2
約1000ページにわたるこの文庫本の厚さは、日本史上最悪のフレームアップである三鷹事件の犯罪性の大きさと、その政治的背景の闇の深さを物語る。検事の拷問と誘導による自白や公判での供述変遷の裏の、維新の志士的な自己犠牲の精神と自己の命や家族の生活を想う気持ちの間で揺れ動く、竹内景介の孤独な葛藤。ただ一人、有罪認定され死刑判決を受けた竹内が袋小路に陥る過程は、人間の強さと弱さを考えさせる。また、三鷹事件とその顛末は、労働者の前衛としての共産党の敗北でもあり、本当の意味での日本のアメリカへの屈伏をも示していよう。2015/09/15

伊良林正哉

0
GHQの占領政策の変更を象徴する事件ですね。結局、日本は反共の防波堤にされてしまいました。2008/09/26

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