内容説明
江戸の町外れ、“鰻長屋”と呼ばれる裏店に子どもの頃から住んでいるお咲。鰻の寝ぐらのように長く狭いこの長屋に、良人の正吉、子の貞次郎、お希世と慎ましくも幸せに暮らしていた。同じ長屋に住む面倒見の良い隣人、おりく。その名にあやかり、新しく生まれた娘に“お璃久”と名づける―。鰻長屋を中心に江戸の市井の人々が織りなす悲喜こもごもの人間模様。それぞれの生と哀歓を情緒豊かに描いた連作短編集。
著者等紹介
東めぐみ［アズマメグミ］
岡山県生まれ。家族の寺院（寺務）に従事しながら、３人の子の母として奮闘中。歴史を裏側から支えた女たちの生きざまを描く小説を執筆し、最近は江戸の庶民の哀歓を浮き彫りにした人情物に取り組む。２００２年、『花ごよみ』で第７回健友館文学賞準佳作入選。２００４年１月、本著が第３回新風舎文庫大賞の最終選考にノミネートされる。ついで第１回愛知出版賞小説部門優秀賞、第３回碧天文芸大賞フィクション部門奨励賞受賞
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