内容説明
一九七五年米軍はヴェトナムから撤退、サイゴンは陥落した。ラオス、カンボジアも相次いで体制崩壊する。国境をゲリラに包囲され革命寸前の危機に追い込まれたタイ。全土に吹き荒れるヤマネコスト、テロの恐怖下、日系企業の先兵としてタイに派遣され、疾風のように騒乱の嵐の中を駆け抜けた一人の若者がいた。彼は、戦国の大航海時代シャムに朱印船で雄飛、一国の王となるもマレー半島で非業の死を遂げた先達山田長政の末裔か、再来か。彼を待っていたものはゲリラ崩れの革命家との壮絶な死闘だった。東南アジア進出の草創期、先駆けとして苦闘した叩き上げ中堅企業経営者と、若きリーダーの生き様を渾身の筆致で活写する問題作。
著者等紹介
村上禎一郎[ムラカミテイイチロウ]
1939年広島県生まれ、早稲田大学卒。繊維メーカー在職中に海外合弁企業(タイ国、インドネシア国)勤務。現在、アジア各国と環境ネットワークを組織、環境問題広報新聞(季刊)「ECOLOGICAL MATERIALS SHINPOH」主宰
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