内容説明
色とりどりのコスモスが淋しくゆれていました。俺はこの花が一番好きだ、淋しいけど、可愛いくて素直でと、いつも主人は言っていました。主人は、遠い南方で戦死してしまいました。西の畠にいっぱい群れ咲いているコスモスを取って来て、仏壇に供え、三回忌の供養に亦新らたな悲しみが熱い涙となってどうしようもなくほと走りました。
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- 和書
- 男の風情
色とりどりのコスモスが淋しくゆれていました。俺はこの花が一番好きだ、淋しいけど、可愛いくて素直でと、いつも主人は言っていました。主人は、遠い南方で戦死してしまいました。西の畠にいっぱい群れ咲いているコスモスを取って来て、仏壇に供え、三回忌の供養に亦新らたな悲しみが熱い涙となってどうしようもなくほと走りました。