SB新書<br> 老人の取扱説明書

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SB新書
老人の取扱説明書

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  • サイズ 新書判/ページ数 224p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784797392449
  • NDC分類 367.7
  • Cコード C0236

出版社内容情報

老人の困った行動、原因は認知症にあらず?


「赤信号でも平気で渡る」
「急に『うるさい!』と怒鳴られた」
「私の作った料理に醤油をドボドボとかける」
「『早く死ねばいいのにと、思っているんでしょ?』と言われる」
...
老人からこんなことをされた覚えは、ありませんか?

すると、こう考えると思います。
「認知症でボケがはじまったから」
「価値観が古く、新しいことを受け入れない頑固者だから」
「若い人へのひがみが多くて、性格が悪くなっているから」

確かに、中にはこのような老人もいますが、
圧倒的多数の老人は、全然別の原因により、困った行動の数々を起こしていたのです。
しかも、老人になることで誰でも起きてしまう現象によります。

本書では、現役の医師であり医学博士の著者・平松類先生が、
10万人以上の患者と接してきた経験をもとに(その多くが老人)、
老人の困った行動の原因を明らかにし、
解決策も提案しました。

例えば、赤信号でも平気で渡るのは、
「周りのことを考えずに、車も勝手に止まってくれる」
と勘違いをしているのではなく、
「瞼(まぶた)が下がってくるうえ、腰も曲がっているので、信号機がある上方がよく見えない」
など、体の状態が原因となっており、
性格やボケなどとは関係がないのです。

このように原因を知ることで、
イライラすることも減りますし、
どうすればいいのかも考え、実行できます。

例えば、
周囲は「信号が赤であることを伝える」「運転中に道路に老人がいたら、スピードを落とす」
老人本人としては「瞼が下がらないように目のカンタンな運動をする」「瞼が下がる原因となるコンタクトレンズを長時間使わない」
など、簡単なことで済みます。

本書は、主に次の方々に向けて、書かれています。
1、困った行動をする老人が身近にいる方
2、高齢者全般、高齢者に近い将来になる方
3、高齢者と接することが多い介護施設の職員や医療関係者など

大げさかもしれませんが、本書は、
今後絶対に訪れてしまう「超高齢化社会」を生き抜くための"処方箋"です。

高齢者も周りの方も、高齢者の体の特性(原因)と、解決策を知ることで、
イライラすることが減り、
少しでも快適に皆さんが生活できるようになりましたら、
これに勝る幸せはございません。


平松 類(ひらまつ・るい)
医師/医学博士。
1978年、愛知県田原市生まれ。昭和大学医学部卒業。
現在、昭和大学兼任講師・彩の国東大宮メディカルセンター眼科部長・眼科専門医・緑内障手術機器トラベクトーム指導医として勤務している。
10万人以上の患者と接してきており、それも老人が多い眼科医として勤務してきたことから、老人の症状や悩みに精通している。目以外の相談も多く受けている。
専門知識がなくてもわかる歯切れのよい解説が好評で、連日メディアの出演が絶えない。NHK『あさいち』、TBS『ジョブチューン』、フジテレビ『バイキング』、テレビ朝日『林修の今でしょ講座』、TBSラジオ『生島ヒロシのおはよう一直線』、『毎日新聞』、『週刊文春』、『女性セブン』、『pumpkin』、『President family』、『Frau』、『わかさ』などで出演・執筆等を行う。

内容説明

老いた親の行動に、諦めなくて済む!高齢者の困った行動の原因となるのは、ほとんどが認知症や頑固な性格よりも、老化による体の変化「老化の正体」だったのです。本書では、この「老化の正体」と、その対処法として手軽にできる方法を、医学的にやさしく解説しています。これらを知ることで、周囲の人はイライラせずに冷静に対処できますし、高齢者本人は卑屈になることが減ります。これまでの本といえば、認知症や老人の心理にとどまるものがほとんどでしたが、体の細部にまで踏み込んだのは本書がはじめてです。

目次

第1章 老人の困った行動3大ド定番(都合の悪いことは聞こえないふりをする。;突然、「うるさい!」と怒鳴る。でも、本人たちは大声で話す。 ほか)
第2章 いじわる(「私なんて、いても邪魔でしょ?」など、ネガティブな発言ばかりする。;せっかくつくってあげた料理に醤油やソースをドボドボとかける。 ほか)
第3章 周りが大迷惑(信号が赤に変わったのに、ゆっくり渡っている。信号が元々赤なのに、堂々と渡ってくる。;指摘はできないが、口がそこそこ臭い。 ほか)
第4章 見ていて怖い、心配…(自分の家の中など、「えっ、そこで!?」と思うような場所でよく転ぶ。;お金がないという割に無駄遣いが激しい。 ほか)

著者等紹介

平松類[ヒラマツルイ]
医師/医学博士。愛知県田原市生まれ。昭和大学医学部卒業。現在、昭和大学兼任講師、彩の国東大宮メディカルセンター眼科部長、三友堂病院非常勤医師・眼科専門医・緑内障手術機器トラベクトーム指導医として勤務している。のべ10万人以上の老人と接してきており、老人が多い眼科医として勤務してきたことから、老人の症状や悩みに精通している。医療コミュニケーションの研究にも従事し、シニア世代の新しい生き方を提唱する新老人の会の会員でもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あすなろ

120
いつもの何々先生、即ちお医者さんに話したら安心した。というのは、僕も母によく聞く話。本書は、そうした知見と医師の知見等から平易に書かれている老人取説。否、もう40代中盤の自分も意識しなきゃという事柄も含むか。色々な事象を述べた後、周りの人がしがちな間違い・周りの人がすべき正しい行動・自分がこうならないために・自分がこうなったらのまとめがいいですね。結局、食べ物の嗜好が自分も年代により変わったと同じで、その時その時のことはなってみないと自分も分からない。それを知ることが対応の第一歩。それを知るには良い本。2018/06/10

えちぜんや よーた

110
「ああそうなのか」ということが分かった。自分は爺さん と呼ばれる年齢ではない。もちろん医者でもない。「老いたから」・「認知症だから」・「性格だから」。通りいっぺんの理由で片付けずに人間の生理現象であることが、医学的な実例と研究を交えて紹介されているので非常に興味深かった。周囲に対する「説明書」だけではなく、本人が気をつけるべき点も書かれている。後者は若年のときから心がけていると、のちのち役に立ちそうなので参考にしよう。2018/01/24

はる

102
同じ話を何度もする、突然怒鳴る、食べるとむせる。歩くと転ぶ。他人をヒガむ…。あるある…。両親もだいぶ歳をとってきたので参考のために。本書はお年寄り本人と、その家族がどのような対応をしたらいいか具体的に書いています。正直それほど画期的なアイデアがあるわけでもなく「ああ、そうだよね~」という感じ。ただこれから親が老境に入り始めるという人の心構え的にはいいかもしれません。2018/05/14

あすなろ

87
2018年に既読。今回改めて取り出し再読。再読なので改めての感想を記さぬが、約3年前にこの本を手にし、読み、本棚にしまっていたところを見るとこの頃から母親の事を息子として疑っていたのだろう。その予感は正鵠を得ていた様で今年は母親のことで激変した年となった。本日再読したが、もうこの本の記述域を彼女は越えてしまっている。振り返れば役に立った面あり。思わず今年を述懐する読書時間となったのである。2021/11/21

どぶねずみ

83
高齢者に対して「ボケてるから何するかわからない」「我が儘になった」「都合悪い話は聞かない」など思ったことはないだろうか。これらは全て高齢者に対する誤解。老化とは今まで感じていた感覚がどのようにかわるのかという解説から、徹底的に誤解を解いていく。周りに高齢者がいる人はもちろん、自分が高齢者になったときにも役に立ちそう。会社の顧客は年配層が多いので、朝礼ネタにもしてみよう。2018/08/26

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