SB新書<br> 教養としての「昭和史」集中講義―教科書では語られていない現代への教訓

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SB新書
教養としての「昭和史」集中講義―教科書では語られていない現代への教訓

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  • サイズ 新書判/ページ数 239p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784797388398
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0221

出版社内容情報

教科書では語られていない現代への教訓!★新しい昭和史の見方を伝える!

山川出版社の『日本史B 高校日本史』(81 山川 日B308)における戦前昭和史を、「教養」として読み直す!
実際の教科書と対比しながら、「大事なのに触れられていないこと」「さらっと記述があるだけだが、実は背景にこんなことが」という解説で、
歴史の本質がつかめる!
「そんなに簡単に平和な世の中から戦争の時代へとシフトするのだろうか?」といった疑問。それは、個々の事実をつなぐ様々な出来事が教科書では端折られてしまっているから。本書では、そうした隙間を埋め、かつ簡素な記述の裏にある今日的な意味に光を当てながら昭和史を振り返る。

・戦前昭和の歴史を学ぶことに今日的な意味が見出せない、そんな人こそ目からウロコの内容
・いま以上に先行きが不透明な時代に、先人はどのように行動し、それがどのような結果をもたらしたのか?
・二大政党制の機能不全ないし限界についても、戦前と比較して考えることができる!
・当時の国民目線になって考えるという意味で、現代を生きる私たちが戦前昭和を身近に感じられる点。それは、当時の日本も格差社会であったこと。
・当時の国民だとしたら? 新聞やラジオが戦争熱を煽っていくなかで、あなたは「それはおかしい」といえるのか。あるいは「おかしい」と発言すること自体、英雄的な、正しい行為だといえるのか。

はじめに 現代と地続きである「昭和」 ?反面教師としての戦前昭和史
「政党」「大衆」「外交」「軍部」「戦争」 5つの観点から学ぶ

第1章 政党っていまもあるよね――「政党」政治の発展と限界とは何だったのか
不況と震災/社会運動の高揚/護憲三派内閣/政党内閣の崩壊

第2章 一般市民て一体何なの――「大衆」はどんな役割を果たしたか
都市化と市民生活/大衆文化の成立/近衛内閣を支持した国民

第3章 外国との付き合い方は今も昔も難しい?――「外交」は国際協調をなぜ貫けなか
ったか
ロンドン条約問題/国際連盟脱退/三国防共協定/日米交渉

第4章 日本にかつてあった軍隊って?――「軍部」の台頭はなぜ加速したか
満州事変/国家主義の台頭/二・二六事件/三国防共協定/日中戦争

第5章 あの戦争っておじいちゃんは言うけれど――「戦争」回避と早期終結はなぜ出来
なかったか
日中戦争/戦時体制の強化/大戦の開始/太平洋戦争/戦局の悪化/敗戦終結の遅れ

井上 寿一[イノウエ トシカズ]
1956年東京生まれ。学習院大学法学部教授。現在、学習院大学学長。一橋大学社会学部卒、同大学大学院法学研究科博士課程、同大学法学部助手などを経て現職。法学博士。専攻は近代の日本政治外交史。著書に『昭和史の逆説』(新潮新書)、『吉田茂と昭和史』(講談社現代新書)、『アジア主義を問い直す』(ちくま新書)、『日中戦争下の日本』(講談社選書メチエ)などがある。

内容説明

高校までの日本史は、無味乾燥な暗記科目として大学受験が終われば、きれいに忘れられてしまいがちだ。しかし歴史事実の背景に何があるのかを見ていけば、政権交代から憲法論議、拡大する格差、長期的な不況と停滞…いまの時代と昭和が意外なほど関連することに気づくだろう。そこに学び直しの必然性や意義もある。日本史教科書を手掛かりに、いまを読み解くため昭和史を学び直す!

目次

はじめに 昭和史を「教養」として読み直す
第1章 昭和初期の人たちは、案外いまの私たちと似た状況にあった
第2章 満州事変はなぜ後戻りできなくなったのか
第3章 復活の兆しがあった政党内閣と日中戦争の泥沼化
第4章 避けることのできた日米開戦
第5章 現代の日本の枠組みをつくった戦後という時代

著者等紹介

井上寿一[イノウエトシカズ]
1956年東京生まれ。学習院大学法学部教授。現在、学習院大学学長。一橋大学社会学部卒、同大学大学院法学研究科博士課程、同大学法学部助手などを経て現職。法学博士。専攻は日本政治外交史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

非日常口

24
昭和史は現代日本を考える上で基礎であるが、「戦後」と気軽に使う人ほど本書を読むべきだ。二大政党の病理、治安維持法と当時の政党支持層の関係性、ロンドン軍縮会議における英米と日本の信頼関係、五一五事件と二二六事件の背景と当時の国民の受けとめ方の違い、国際連盟脱退の詳細と事実、連合国内部の複雑な利害対立と冷戦への関係性、ABCD包囲網と日支事変や援蒋ルートから大東亜へ向かう本音、抽象化されていく米開戦理由、教科書のカタイ内容を、再度敷衍し、私達が生きた歴史として使えるようになる講義がここにある。2017/01/11

樋口佳之

21
山川教科書で学んでいる現役高校生にはいいかも。/軍部支配を擁護するのではありませんが、軍部という存在は、世界的に見ても、ある時期の国家にとって近代化を進めていくための必要悪みたいなところがありました。/必要悪とは便利な言葉だな。自分は使わないと気をつけているし、この言葉使わなくても文意は通せると思う2018/03/04

hk

17
【あと4回読む本】国民経済というものを補助線として、戦前から戦中戦後までのあらましを解説している好著だ。例えば…5.15事件(犬養首相殺害など)は二大政党が拙い経済政策を連発して不景気が長期化する中で起きたため、当事者たる青年将校に対する助命嘆願運動がなされるほど軍部に対して世論は寛容並びに歓迎の姿勢を見せた。他方2.26事件は高橋是清肝いりの大規模財政出動によって景気が回復基調に乗ったところで勃発したため、「せっかく世の中が安定しつつあるのに水を差すな」と国民から不興を買った……という風に分析していく。2017/05/06

skunk_c

16
大学受験用教科書として定番の山川の詳説日本史Bをネタにしながら、昭和史について概観している。著者の専門とも言える政党の動きについてはさすがに良くまとまっているし、いわゆる「軍国主義化」で片付けられることの多い満州事変~日中戦争期についての議会の動きは分かりやすい。一方日中戦争の拡大のいきさつがあたかも自然の成り行きのように書かれていたり、北部仏印進出と南部仏印進出が区別されていなかったりするなど荒っぽい部分も散見。また、アメリカ国民が対ドイツ戦に参戦したがっていたとするがいかがなものか。2017/01/03

Hatann

6
日本史教科書を手掛かりとして行間を読み起こし、昭和戦前史の政治状況につき腹落ちのする説明を試みている。二大政党制の問題点に加えて、不幸な戦争に対する軍部・メディア・国民の関与が具体的に記述され、ソフトな語り口もあって腹落ちするところも多い。軍部のみに問題があったものではないという意見についても分からなくはないが、もう少し引用元や分析材料が示してほしいとは思った。二大政党による満州国承認という失敗は臣民世論の読み違えを原因とすると説明されるが、どうしたらそんな大変な読み違えをするのだろうと少し疑問に思う。2019/01/05

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