SB新書<br> 下流中年―一億総貧困化の行方

電子版価格
¥440
  • 電書あり

SB新書
下流中年―一億総貧困化の行方

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 237p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784797386578
  • NDC分類 367.7
  • Cコード C0295

出版社内容情報

誰もが転落予備軍!

◆介護離職、早期退職、引きこもり、ワーキングプア……他人ごとではない中年のリアルな危機!
◆巻頭対談:雨宮処凛氏×萱野稔人氏
「生きづらさ」についてから8年、「生きづらさ」はどう変わったか
◆「ロスト・ジェネレーション」はどこに行ったのか?
団塊ジュニア世代(71年~74年生まれを中心に前後数年の間に生まれた世代)は、
就職氷河期と重なり、「ロスト・ジェネレーション」と呼ばれたが、彼らは今や40歳を超える中年となった。
「中年フリーター:氷河期の非正社員ら、歯止めかからず273万人に」というニュースが流れたが、まさに彼らが非正規労働を続けざるを得ず、新たな問題となっている。
◆人は、どのようにして社会のレールから転落するのか。また、這い上がるためのスキルとは、どのようなものなのか
◆いまは社会に関わりを持てている働き盛りの中年世代であっても、突然、転落するかもしれないリスクは誰もが持っている。
それどころか、真面目で、他人の痛みを理解できる優しい人ほど社会のレールから外れやすく、抜けられなくなることが多い。
1日に10時間以上働いても、月に10万円余りにしかならない実態にあえいでいる働き盛りの世代も多い。
職場で苦しみ孤立する人がいても、かつての会社が家族のように守ってくれた終身雇用の時代と違い、激しい商品開発競争の中で、上司も同僚も自分のノルマに追われる。職場で我慢していても支援などの相談窓口へ行っても、気合論や精神論ばかり説かれて、「しんどい」などと弱音を見せると、精神科への受診を勧められる。若年者や高齢者と違って、働き盛りとみなされる中高年世代には、セーフティーネットがほとんど用意されていないことも、こうした地獄からいつまでも抜けられなくなる要因にもなっている。
◆「敗者復活を許さない日本社会のほうが病んでいるのでは…」
ある読者は、そう筆者に訴えた。
先行きの見えない未来。生活は困窮し、貧困問題にも直結している。ギリギリのところで生活を強いられる現実に、真剣に向き合おうとすればするほど、傷つき疲れていく。そんな不安を抱えながらレールにしがみついている存在を、社会が大量につくりだしているといえる。
私たちは今後、こうした社会にどう向き合っていけばいいのか。

はじめに 総下流化社会はいつから始まったか ~10年後、日本に新たな貧困問題をもたらす下流中年
第1章 下流に転落するリスクは誰もが抱えている ~転職・リストラ・給与減、そして介護離職
第2章

内容説明

「下流老人」が話題になる昨今だが、実は高齢者の貧困率はここ数年改善されてきている。むしろ現役世代の貧困率が悪化してきており、それは「中年フリーター」など不本意にも「非正規」を続けざるを得なかった就職氷河期世代の受難をも示している。景気が悪化したらクビという不安定な雇用状況でも何とかしのいできたロスジェネ世代。「生きづらさ」を抱えた彼らは今後どこへ向かえばいいのか?

目次

第1章 『「生きづらさ」について』から8年、生きづらさはどう変わったか―対談 雨宮処凛×萱野稔人(「8年」の重さ;「加齢との闘い」が始まった ほか)
第2章 我々はいかにして「下流中年」にさせられているのか(誰もが「下流」に落ちる未来へ;いかにして企業は昭和以降の「神」となったか ほか)
第3章 それでも、「下流転落」に脅えることなかれ(「下流老人」の問題は実は改善されてきている;正規と非正規の分断が起きている ほか)
第4章 ルポ・下流中年 12人のリアル(社会的撤退を強いられてきた人々;派遣歴足掛け15年で味わった苦しさ 明美さん ほか)

著者等紹介

雨宮処凛[アマミヤカリン]
1975年北海道生まれ。作家・活動家。00年、自伝的エッセイ『生き地獄天国』でデビュー。以来、「生きづらさ」についての著作を発表する。06年からは、格差や貧困問題に取り組み、取材、執筆、運動中。『生きさせろ!難民化する若者たち』(ちくま文庫)でJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞

萱野稔人[カヤノトシヒト]
1970年愛知県生まれ。哲学者、津田塾大学教授。専門は哲学、社会理論。パリ第十大学大学院哲学科博士課程修了。博士(哲学)

赤木智弘[アカギトモヒロ]
1975年栃木県生まれ。フリーライター。2007年に月刊誌「論座」に発表した「『丸山眞男』をひっぱたきたい―31歳、フリーター。希望は戦争。」で注目を集める

阿部彩[アベアヤ]
マサチューセッツ工科大学卒業。タフツ大学フレッシャー法律外交大学院修士号・博士号取得。国立社会保障・人口問題研究所にて室長、部長として15年勤務ののち、現在、首都大学東京都市教養学部教授

池上正樹[イケガミマサキ]
大学卒業後、通信社勤務を経て、フリーのジャーナリスト。日本文藝家協会会員。東日本大震災後、被災地に入り「ひきこもりと震災」について調査。ひきこもり当事者活動や家族会などもサポートする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

56
非正規4割の4タイプ:①学生バイト層、②主婦層、③中年フリーター層、④セカンドキャリア層(4頁)。私は③。ただ毎日理不尽で不愉快な毎日ではある。あらゆる対策は手遅れ(22頁~)。あらゆる対策は手遅れ(22頁~)。雨宮氏:ピケティ提唱の資産課税強化は日本でもやるべき(51頁)というのは同感。自己責任論が至る未来で、結局何が問題か?(88頁~)赤城氏が憂えるのは、本来、社会責任とすべきことを自己責任にしていること。自己責任と言っておけば好都合な連中がいるからである。不愉快な連中だ。2016/06/05

ゆにこ

51
裕福な高齢者の年金を減らす案が出ていたけど、政治家は裕福な高齢者だし、権力があり彼らを支援しているのも同じ層。まず実現しないだろう。これから良くなる兆しが見えないから消費より貯蓄になるよね。2016/05/31

リョウ万代ホーム施主|貯金おじさん

47
悲惨というのが読んで一番の感想です。氷河期世代も中年層に差し掛かり、非難されても同情されない状況が浮き彫りになっています。最後の12人の下流中年のリアルは、いつ誰に降り掛かるか分からない恐怖感を刺激します。下流貧困関連で思うのは、親が暴力的、アルコール依存、ネグレクトだったりした背景が多い事。子供の人生は子供が勿論、決める事ですが少なくても自分達の教育で子供に暗い背景を負わせない様にしようと思うのでした。2016/07/08

カザリ

43
あと10年以内に戦争か革命がおきるんじゃないかと思わせる現実。 みなが助け合う社会にならないとな。 貧困と孤独は身につまされる内容で心に響いた。がんばれば報われる社会になるには、切り捨てがおこなわれるだろうと予見される。おそらくは、高齢者だろう。2016/05/08

こも 零細企業営業

40
12人の転落の経緯が記載されていたが。まさに明日は我が身のケースがてんこ盛り。いつ自分がそうなるか?いや、もう9割方なっている会社にいると、早く死ねと言われてる気分になる時がある。俺って社会にとって要らない奴だよなとも思うことしばし。生きている価値なんて無いとも思う事があった。まぁ、上手くいってる人には絶対理解できない心理状況だし。味わってほしく無い精神状態。そんな人たちのコミュニティがあるんだな。。まだそこまで行ってない事を願いながらもネット検索。クワバラクワバラ。2022/03/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/10459322
  • ご注意事項