なぜ人はゲームにハマるのか―開発現場から得た「ゲーム性」の本質

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なぜ人はゲームにハマるのか―開発現場から得た「ゲーム性」の本質

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  • サイズ A5判/ページ数 192p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784797376210
  • NDC分類 589.7
  • Cコード C0055

出版社内容情報

夢中になる仕組みを徹底考察!

立命館大学映像学部のゲーム研究をついに公開!
つい熱中し、プレイし続けてしまう要因は何なのか?
古今東西50種のゲーム作品を、記号学や心理学など様々な観点から分析。
「ゲーム性」の概念を明らかにし、"おもしろい”を生み出す仕組みを考察する。

まえがき
第1章 ゲームの定義
第2章 シューティングゲームの歴史とゲーム性
第3章 ゲーム記号学
第4章 ゲームと身体
第5章 ゲームと視点
第6章 ゲームと世界
第7章 ゲームと触覚
第8章 分析「ワンダと巨像」
第9章 ゲームに夢中になる理由
第10章 難易度バランスの演出と効率予測
第11章 ルドとゲームデザインのメカニズム
第12章 ナラティブとナレーム
第13章 アーキテクチャ
あとがき
索引

まえがき

第1章 ゲームの定義
ゲームの作り手と受け手による議論
ゲームのさまざまな定義
新しいゲームを世に生み出すための発想
「ゲーム性」に対するさまざまな解釈


第2章 シューティングゲームの歴史とゲーム性
「記号と遊びの融合」から始まったゲーム
シューティングゲーム前史:Breakout
スペースインベーダーは世界観を表現する
アーケードゲームと家庭用ゲームの進化の方向


第3章 ゲーム記号学
ゲームにおける記号とは
記号表現と記号内容
ゲームニクス
ゲームの記号が持つ可能性


第4章 ゲームと身体
プレイキャラクターとプレイヤー
幻肢痛とミラーボックス
身体と世界との相互作用


第5章 ゲームと視点
視点と注視点
スーパーマリオ64の視点
視点移動の実験


第6章 ゲームと世界
身体と世界のかかわり
ゲームに見られる作用空間と非作用空間の関係性
ゲームと身体性の関係を決めるのがゲームデザインの役割


第7章 ゲームと触覚
ゲームは「触角メディア」である
「ピクミン」における世界認識
アフォードする入力インターフェイス


第8章 分析「ワンダと巨像」
「ワンダ巨像」とは
プレイヤーの予測をデザインに取り込む
人は少しだけ難易度が高い方向を目指す


第9章 ゲームに夢中になる理由
ゲームは現実世界を記号化したもの
マクレランドの欲求理論
ゲームに見られるフロー理論


第10章 難易度バランスの演出と効率予測
フロー状態を維持させる難易度バランス
「Bダッシュ」に見る効率予測型のバランス
最適な挑戦を生み出す仕組み


第11章 ルドとゲームデザインのメカニズム
ゲーム性とルド
ルドの有用性
効率予測を想起させるルドは新たなゲームを世に生み出す


第12章 ナラティブとナレーム
ゲームにおける物語性
ゲームとナラティブ
戦国BASARAと北斗無双のナレーム


第13章 アーキテクチャ
アーキテクチャとは
ゲームにおけるアーキテクチャ
ゲームデザインの先鋭化


あとがき
索引

【著者紹介】
2007年より大学の教鞭をとり、2010年度より正式に立命館大学映像学部准教授に専任。現職 日本デジタルゲーム学会研究委員、立命館大学ゲーム研究センター運営委員。1997 年 「FinalFantasy7 international」(株式会社スクウェア) でゲーム業界に参加後、多数の会社で企画・監督職として参加。代表作は、2008年「internet Adventure」(株式会社セガ) 原案・企画監修。2004年 エンターブレイン主催 第1回ゲーム甲子園 大賞受賞 「みんなの城」個人作品、2003年 メディア芸術祭審査員推薦作品 「ガラクタ名作劇場 ラクガキ王国」(株式会社タイトー 2003年)、原案・監督職

内容説明

つい熱中し、プレイし続けてしまう要因は何なのか。ゲーム性の概念を明らかにし、“おもしろい”の原子に迫る!ゲーム体験を現実世界の延長であると捉え、人がゲームに没入してしまう理由を、我々自身の性質から分析。

目次

ゲームの定義
シューティングゲームの歴史とゲーム性
ゲーム記号学
ゲームと身体
ゲームと視点
ゲームと世界
ゲームと触覚
分析「ワンダと巨像」
ゲームに夢中になる理由
難易度バランスの演出と効率予測
ルドとゲームデザインのメカニズム
ナラティブとナレーム
アーキテクチャ

著者等紹介

渡辺修司[ワタナベシュウジ]
2007年より大学の教鞭をとり、2010年度より正式に立命館大学映像学部准教授に専任。現職は日本デジタルゲーム学会研究委員、立命館大学ゲーム研究センター運営委員。2004年エンターブレイン主催第1回ゲーム甲子園大賞受賞「みんなの城」個人作品、2003年メディア芸術祭審査員推薦作品「ガラクタ名作劇場ラクガキ王国」(株式会社タイトー、2003年)、原案・監督職

中村彰憲[ナカムラアキノリ]
立命館大学映像学部教授、日本デジタルゲーム学会副会長、立命館ゲーム研究センター運営委員。名古屋大学大学院国際開発研究科博士課程後期修了後、早稲田大学アジア太平洋研究センター助手、立命館大学政策科学部助教授を経て現職。東京ゲームショウアジアビジネスフォーラムアドバイザー(2010‐2011)、太秦戦国祭り実行委員会委員長(2009‐2012)などを歴任。博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nbhd

5
「Bダッシュに見る効率予測型のバランス演出」みたいに、Bダッシュもいよいよ学問の対象になったのだな、と頼もしい読後感。記号論、認知心理学、物語論、脳科学とかを駆使してゲーム性を解き明かす縦横無尽感。ゲーム学は生まれたばかりの学問だけど、将来的にはこの分野の古典となるのだろう、という予感。ファミコン発売が83年、時代が一回りして、ようやくこういう本が出てきたのだ、という実感。この本が提唱するゲーム性の最小単位ルドとは、クリボーに当たるかもしれないリスクを冒してBダッシュするかどうかという駆け引きのことをいう2016/05/21

gentleyellow

5
たぶん学部生向け教科書のノリで書いてる。新旧コンピューターゲームのSSなど資料と軽い記述、あとカイヨワに始まる既存関係概念の辞書的な羅列が9割。まあ順序だてて並べてもらっているので面白くなかった訳では無いが、しかし教科書らしく、欲張り過ぎて散漫な書だなという感じは否めないし、概念並べられているだけでもためにはなるのだが。引き換えに主要な主張である『ルド』の概念について記述少ない。しまいには、後書きに語り切れてないけど中断する、と書いちゃう始末。いやまあ、教科書だってんなら別にいいか。2015/10/05

スプリント

5
テレビゲームの構成する要素をとりあげなぜ人がゲームにはまるのかを論じています。具体的にゲームソフトを取り上げて説明しているので理解しやすいです。2015/04/26

ウッチー

3
著者が「ルド」と定義する部分こそがゲームの本質であり、ナラティブやナレームはそれをユーザーに意識させない為の装飾であるはずだ。遊びには「創意工夫の余地がある。」事が重要。日本人には理解しにくい「ナラティブ」という単語について、丁寧に説明があったが、それでも私には理解できなかった。2018/08/19

たいそ

3
ゲーム性とは何か。聞き慣れない用語が多く出てきた。「ルド」は理解できたが、「ナラティブとナレーム」はよくわからなかった。記号の話で「抽象から具象」に対する「Rez」の表現はおもしろかった。「バランス」という言葉がよく出てくるが、人を夢中にさせるには、これを見極めるのが重要らしい。「どのような概念や枠組みで現実を分析すれば新たなゲームを生み出すことにつながるのかを考えることが重要。」2015/07/11

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