内容説明
武術は戦場で自分の身を守り、敵を倒すための戦闘術として発展してきた。そのため、競技者の安全を確保するためにルールが整備されている格闘技とは異なり、きわめて実戦的な技をもっている。さまざまな武術の技を力学、解剖学、認知心理学の観点から解説。剣術、居合術、槍術、弓術、空手、ジークンドー、柔術、合気道、太極拳…知られざる奥義をQ&Aで解説した。
目次
第1章 武術とはなにか?
第2章 打撃の科学
第3章 剣術・居合の科学
第4章 武器の科学
第5章 歩法・体さばき・感覚を欺く科学
第6章 崩しの科学
第7章 気・心の科学
著者等紹介
吉福康郎[ヨシフクヤスオ]
1944年、滋賀県生まれ。東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科(理論物理学)修了。理学博士(東京大学)。現在、中部大学工学部教授。専門分野は、スポーツ・バイオメカニクスと生命情報科学で、現在はスポーツ、特に格闘技や伝統武術の技の科学的解明のほかにヨーガと気功の実践も(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Homo Rudolfensis
19
☆3.8 ジークンドー少々、空手微量、ほぼほぼ剣術で、つまりお侍様の凄さがわかる本です。凄い、というか、恐ろしい、です。こんな人たちが群れて斬り合う幕末や、殺し合いに全てを注ぎ込んだ戦国に生まれなくて良かったです…。今まで、百姓の武装集団と武士の軍隊の質の差なんてほとんど考えたことがありませんでしたが、この本を読んだ後なら天と地ほどの差があるとわかります。武道経験のない人ももちろんですが、経験のある人にこそおすすめしたいです。2022/01/27
魚京童!
14
誰か教えてくれないかなー。2015/05/20
無重力蜜柑
11
剣術から合気、弓術に薙刀にジークンドーまで、武術の理論を科学的に解説する本。武術の理論は大きく「筋肉や骨、人体の作りを力学的、解剖学的に利用する技」と「視覚や触覚、反射や予測といった人間の認知を利用する技」に分けられるのかな。色々な武術を総覧しつつ打撃、剣術、武器、歩法、崩し、気に分けて論じているのは面白かった。まあ割とあり得そうな内容だったが、終盤で突然、科学では解明できない「気」を肯定し唯物論を否定し人生の意義を語り悟りを開いて宇宙の彼方へ飛んでいってしまった。やっぱ武術ってスピリなんじゃないのか。2024/07/07
ノイス
10
著者は東大教授らしいが、それにしては、あるいは東大だからこそなのか、あまり理系的な形式的な文体では無いように感じた。端的に言えば、Q&Aという体裁が意味をほぼなしておらず、内容に簡潔さを欠いていたり文を読まずとも図解を見れば分かったりしたのが少し残念だった。そういう読みづらさを除けば、体幹の筋肉を生かした相手の打ち破り方や抜重によるバランスの操り方など、武術の超常的な可能性を科学的に分析されており、面白く読めた。2016/05/10
K
8
内容をイメージすれば無敵2016/08/30