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ゼロ年代の論点―ウェブ・郊外・カルチャー

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  • サイズ 新書判/ページ数 231p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784797362145
  • NDC分類 304
  • Cコード C0295

内容説明

ゼロ年代に批評は何を論じてきたのか?注目すべき多くの書籍を通して、ゼロ年代の論点を文芸・音楽評論家が浮き彫りにする。そこから見えてくる従来とは異なる表現のかたちやネットの影響力、そして街並みの変容などは、まさに現在考えるべきテーマだ。本書はブックガイドとしてはもちろんのこと、ゼロ年代に論じられた幾つものポイントをナビゲーションする役割も果たすだろう。

目次

第1章 ゼロ年代批評のインパクト
第2章 ネットの力は社会を揺さぶる
第3章 言葉の居場所は紙か、電子か
第4章 データベースで踊る表現の世界
第5章 変容するニッポンの風景
終章 二〇一〇年代にむけて

著者等紹介

円堂都司昭[エンドウトシアキ]
1963年千葉県生まれ。文芸・音楽評論家。著書『「謎」の解像度』(光文社)で2009年に日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サイバーパンツ

13
ゼロ年代批評の要約とまとめ。大塚、東、宇野などが代表的なコンテンツ批評系、鈴木、津田、佐々木などが代表的なウェブ・ネット批評系、森川、三浦、速水などが代表的な郊外批評系の主に三つに分けて紹介。有名所の著者や専門用語はもちろん、結構マイナーな批評まで抑えられるので、ブックガイドもしくはゼロ年代批評の概略図としては有用。ただ、それ以上でもそれ以下でもないので、紹介された本をほとんど読んでるなら読まなくていいとは思う。2016/06/28

サイバーパンツ

10
社会学とかサブカル批評とかゼロアカとか読みたいけど、何から読めばいいのかわからないという人におすすめしたいブックガイド。流れも分かりやすく、綺麗にまとまっている。ある程度読んでる人には不要かな。私は確認用として使うが。2016/09/02

鷹図

9
ゼロ年代の批評言論を網羅し、それらの概略と寸評が併記されている。よってブックガイドとしても有用だが、卓見なのは個別の批評同士を結びつけ、関係性を見出したところだろう。それにより共通点や対立点などが明らかとなり、新たな視点を授けられる。それがまえがきにあるところの「批評のナビゲーション」の所以で、確かに交通整理具合が素晴らしかった。多少東浩紀というアーキテクスチャに、交通「誘導」された気もしないではないが…。2011/05/19

おおかみ

7
ゼロ年代批評の見取り図あるいは相関図。著者曰く、「ゼロ年代批評コンテンツの生態系」である。知識を整理するのに有用であるのみならず、巨視的に観察することでそれぞれの議論の結節点(=「論点」)が浮かんでくる(「パフォーマティヴ」「データベース消費」「スーパーフラット」「アーキテクチャ」といったキーワードが通底していることがよく分かる)。著者はミステリや音楽の評論が専門。本書でもそれらの批評に触れている箇所がある。多くの批評読者が触れてこなかったジャンルを架橋する役割も担っているのだ。2011/02/21

かみしの

5
ゼロ年代の主要な著作の内容が、一歩引いた立場からまとめられている。ゼロ年代批評の目的語、つまり何を論じて来たのかという部分に注目してみると、あるヴァリエーションの総体で、ひとつの主題の変奏だよなと思えてくる。それと同時に、自分自身は確実に「この空気感」の中で学生生活を送ってきたな、ということが再認識された。テン年代も後半に差し掛かった今から読んでみると、ゼロ年代が何を論じてこなかったのかということがわかる。著者の概観によって、どういう歴史の中で現代の批評が成り立っているのかというのが理解できた。2016/11/12

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