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内容説明
それは迷宮内部の写真から起こした商品スケッチだった。探索者なら一度は目にしたことがある。第一層濃霧地帯の奥にある縦穴のものだ。その図には後藤が売りたい商品が描かれていた。天井に滑車が据え付けられ、鎖が吊るすのはゴンドラだ。後藤のアイディアは画期的なものだった。リスクを減らし第四層まで一瞬で移動できる。迷宮内部でのみ産出される不思議な石が金属の強度を高めることも判明し、探索の効率は向上するように思われたが…。生まれる希望と、同じだけの絶望。迷宮街での生活は、ゆっくり何かを蝕み、静かに壊してゆく。好評の書き下ろし短編も収録した群像劇、第三弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こんこん
3
あー、やっぱこれ「迷宮街」の物語だよなあ、と前回に続いて強く感じる。そして今回の目玉はやはり「外からの視線」。今までもちらほらあったんだけど、ここにきてその齟齬がずしりと利いてくる。京都には車で行ける、がしかし、やはり迷宮街とは日常と地続きの異界でしかないのだ、と。ここを去る人たちは、はたしてちゃんと「日常」へと帰ることが出来るのか?2009/10/19
Horiuchi_H
3
様々な人から見た迷宮街と内面が語られていく。そして、街の外からみた時に浮かび上がる特異性。特に、普通な主人公かと思っていた真壁くんも、外からみたら十分違う人になっていたと。2009/10/21
非労働者Mushock
3
毎度人名を忘れてるのは何とかならんものか・・・キャラ造形や描写が明らかにラノベではない。設定を除けば一般の小説。しかし舞台や設定は見せ方を含めとても面白い。人間描写も秀逸、というかむしろそれがメインだし、今巻は特にそういう話だった。安心して読める良作2009/10/20
SHI-NO
3
真壁の心中だけ非常に読みにくいことがこの物語で一番面白く恐ろしいことなのかもしれない。★★★★★2009/10/19
atota
2
読めば読むほど、編集さんのアドバイス通り、先ずは真壁を主としたストーリーを二巻で終わらせて、追ってサイドストーリー的にクロニクルな物語を描いたほうが良かったのでは? と思わずにはいられない。面白い物語が、名前が出る度に誰だっけ?とひと呼吸おいて中断されてしまう。2010/12/27