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内容説明
『ノーモアクリスマス!』この世で最も生と死を隔てる壁が薄い場所・迷宮街。そんな迷宮街にも、クリスマスはやってくる。ひとえに探索者は外の住人よりも派手にイベントを楽しむ。ツナギをクリスマスカラーにしてみたり、「ノーモアクリスマス」と書かれたプラカードを持ってデモ行進をしてみたり。ただ、クリスマスの福音は、探索者に等しく届くわけではない。死亡率14%のゴールドラッシュ。今日も様々な人間が、様々な理由で迷宮街を出ていく。ある者は幸せに、ある者は無言で。書き下ろし短編「祭典の前夜祭」も収録した、現代のガリンペイロ達の物語、第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
菊地
4
様々な視点でエピソードが語れるのは作品世界を膨らませる意味では有効に働いている。ただ、登場人物が多く、地味な(現実味がある)名前が多いというのは刊行間隔が空くと、ちょっと誰が誰のことか区別が付きにく忘れがちになるので、早目に下巻を出して欲しいかも。2009/07/21
こんこん
4
人が死ぬのは迷宮。けれど、この物語の大部分は、その迷宮がある「街」こそが舞台。この街に集い、摩耗し、散り、そして去っていく人々の年代記。「迷宮クロニクル」では絶対になくて、「迷宮街クロニクル」なんだよなあ、とあらためて。2009/04/20
kokekko
3
二巻。この本を書いてる人は、どんな相手と酒の席に臨んでも、相手を惹きつける話のタネに事欠かない人なんだろうな……という印象は変わらない。というか強くなった。地の文章がおもしろい。地下に潜って怪物を切り殺しまくる生活を送るという、ある意味登場人物(ほぼ)みんなスーパーマンな小説なのだけど、それでもこれだけのリアリティがあるのは、同じ状況の中でもみんな別々の事情で別々の事を考えているのが伝わってくるからだろう。三巻に続きます。しかし倉庫の返品の場面が地味につらかった。2011/04/26
卯上
3
「地下迷宮でモンスターと戦う」というアクション物的設定を持ちながらそこをメインには置かず、「死亡率14%の迷宮を持つ街に、どんな人々が集まり、どんな日々を過ごし、どんな想いで迷宮へと降り、そしてどうなってゆくのか」を多視点で描いてゆきます。 攻略物ではなく群像劇かな。 誰がどうなってゆき、主人公の真壁はどうしてゆくのか。 気になります。 早く続き読まなきゃ。2009/12/05
麻由
2
なんというか、部分的にはすごく面白くても全体的にはそこそこ、というか。群像劇ということもあってSSの積み重ねで一つの物語が出来ており、web小説として読むなら問題ないと思いますが1冊の本として読むとちょくちょく盛り上がりが分断されてしまって勿体ない。今回だと恩田部隊のあれとか相当面白いんですが、その盛り上がりがそのシーンのみのものでしかないのが、なんだかなあ。相変わらずの容赦のなさはよいですが。しかし、登場人物が多いのでP数以上に気力消費するわ……。2011/06/04