内容説明
DNAは生物が生きていくために、また子孫を残すために重要な物質であり、すべての生物の“はじまり”に深く深く関わっている。本書は、DNAの“はじまり”、そして生命の“はじまり”について、科学者たちがどう考えてきたか、考えているかを紹介しつつ、その化学的特徴や遺伝情報物質としての有用性などをストーリー形式でまとめたものである。
目次
第1章 DNAに秘められた生命のしくみ
第2章 材料をそろえるのは難しい
第3章 RNAを中心とする世界が広がっていた原始地球
第4章 酸素原子の消失と安定化
第5章 DNAの“開発”
第6章 複製方法の進化と、その後の生物の運命
著者等紹介
武村政春[タケムラマサハル]
1969年、三重県津市生まれ。1998年、名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了。名古屋大学助手、三重大学助手などを経て、東京理科大学大学院科学教育研究科准教授。専門は生物教育・分子生物学・複製論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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チクタクマン
2
DNAとRNAではRNAが先に誕生したらしい。RNAの2位の炭素につく水酸基が他の分子と反応しやすく不安定なので、RNAだと大事な遺伝情報が守れない。RNAから安定なDNAへ「進化」していったことで、しっかりと守ることが出来るようになった。DNA誕生の秘密は、どうやらRNAにあるということになるのだろうが、まだまだ分かっていないこともあるとのこと。「RNAからウラシル(U)を使うDNA経て、現在のDNAへ変換していった」という話が興味深かった。2016/12/10
文章で飯を食う
2
まだまだ、わからないことだらけである。RNAの能力の高さと、それと裏腹の不安定さが面白い。DNAがいかに安定しているのかが、印象的。2013/09/28
がっくん
1
DNAとRNAが織りなす自然の神秘に近づくための第一歩。2013/08/08