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中国汚染―「公害大陸」の環境報告

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  • サイズ 新書判/ページ数 239p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784797345018
  • NDC分類 519.222
  • Cコード C0236

内容説明

中国の環境汚染が深刻だ。2005年に起きた吉林省の化学工場爆発事故とそれによる松花江汚染は、国際河川の大規模汚染であることに加え、10日間にわたって汚染の事実が隠蔽され、二重の意味で世界を震撼させた。また、農村部では、水汚染を主な原因とした「がん」が多発する村、通称「がん村」が存在するなど、深刻な健康被害が生じている。さらに、環境汚染を理由とする「暴動」その他の抗議行動も激しさを増している。本書では、いまや「公害大陸」とも呼ばれる中国の環境汚染の知られざる実態、そしてその背景を探る。

目次

第1章 深刻な中国環境汚染―現状(松花江汚染事件―工場の爆発など突発型の汚染;2007年夏、各地で「水道パニック」―広範な原因による慢性型の汚染;淮河をはじめとする「がん村」の広がり;大規模抗議行動の出現;「公害大陸」:足尾鉱毒事件から地球環境問題まで同時噴出)
第2章 中国環境汚染の根深さ―背景(十分調査されていない松花江水俣病;統計上は急に悪化したわけではない;1980年代に既に「日本の公害が最悪だった時期並」との評価も;「三廃」「白色汚染」……独自の表現にみる問題意識の推移政策がある中での悪化)
第3章 中国環境汚染の国際的な広がりと日中民間協力(地球温暖化問題と中国;「環境共同体」再考;進む被害者・支援者協力;日本の市民は中国の環境汚染に何がきるか)

著者等紹介

相川泰[アイカワヤスシ]
鳥取環境大学環境政策学科准教授、東アジア環境情報発伝所運営委員、中国環境問題研究会共同代表。1969年東京生まれ。東京大学教養学部教養学科第三国際関係論分科在学中の1992年から中国の環境問題を研究テーマとする。同大学院総合文化研究科国際関係論専攻に進学(在学中に国際社会科学専攻に改組)、博士課程在学中に、文部省アジア諸国等派遣留学生として2年間、中国・北京の中国人民大学に留学。2004年より鳥取環境大学勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くものすけ

5
大気汚染、河川汚染、食品汚染何でもありだ。それも大大的に騒がれ始めるずっと前から政府として認識があったようだ。民意を全く反映しない市長、省長は私腹を肥やす為に汚染は野放図と聞く、しっぺ返しは必ず為政者に帰る筈...2019/02/18

Humbaba

2
日本と中国は,地理的にも近いところにある.そして,偏西風によって中国の空気は日本に届く.そのことを考えれば,単に食品のみならず,中国の環境全体に関しても注意を払っておく必要があるといえる.2011/10/10

Naota_t

0
★3.2 出版が2008年と古いので、今の中国では国際情勢の影響や中産階級の増加で環境意識は当時以上に高まっていると推察する。中国といえば、環境に対して非常にネガティブなイメージしか私にはなかったが、1987年から世界では先駆けて憲法に環境保護条項が入っているのは驚いた。しかし、中国では法律そのものの信頼性が低い、環境に悪い方が税収が上がるため、自治体にとっては野放しの方が好都合、というオチ。昨今は、人権に注目が集まっているが、北京オリンピックに向けて、環境への取り組みもより一層加速することを期待したい。2021/09/30

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