内容説明
大いなる探索の旅の途中、霧小人の村に立ち寄ったアトレーユ。村の偉大な語り手の子孫キーライ。ふたりが出会い、新たなる探索の旅がはじまる。後を追う夢魔。旅の途中で出会う者たちは、敵か味方か。ファンタージエンを救えるという「言の葉の君」を見つけ出すことはできるのか…。
著者等紹介
デンプフ,ペーター[デンプフ,ペーター][Dempf,Peter]
1959年ドイツ、アウグスブルク生まれ。大学でドイツ文学、歴史学、社会学を専攻後、ドイツ語講師、身体言語と修辞学のトレーナーとして活動し、ミュンヘンの中高等学校の教員となる。歴史小説やノンフィクションを多数発表している
遠山明子[トオヤマアキコ]
1956年生まれ。上智大学でドイツ文学を学ぶ。現在、大学でドイツ語を教えながらドイツ語圏の文学の翻訳・紹介をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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徳浄さん
8
これは、作家と読者のための哲学書か? 吃音の霧小人キーライが、夢魔に怯えながらファンタジーエンを旅する物語は、終盤に来てそう思えるようになった。ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』から続くように、この物語も虚無との戦いでもある。シリーズ5作目だが、前巻を読んでいなくても大丈夫だった。2016/11/28
BECHA☆
3
いろんな作家さんが書き紡いでいるファンタージエン物語の5作目。 高名な語り部の末裔にもかかわらずつっかえひっかえしか話せないキーライという少女が主人公。虚無に襲われた村から言の葉の君を見つける旅に出かけます。「言葉の持つ力」がテーマになっていて、敵味方が二重構造でなかなかややこしいです。これまでの物語とは作者の視点が異なっているのも理由の一つかも。2007/11/11
調“本”薬局問悶堂
1
今まで言葉の大切さにここまで焦点が当たっていなかったことにいまさら驚いた。 言葉が存在しなければ考えることもできない私たちを再確認。 《2020年6月 登録》 “言葉というのは独特なものだ。すべてのものには名前がある。物も生き物も、言葉によって生かされている。言葉で言い表せないものは、存在しないも同然だ。(中略)なぜなら、名指しできないもののことは、考えられないからだ。言葉の一つ一つに魔力がある。音の連続が重要なのではない。意味だ。意味が深くなればなるほど、言葉の価値も増す。”2008/03/17
san0604
0
読んだけど 内容よく覚えてない。再読しなくては!
きゅー
0
最後の方の設定を理解するのに時間がかかった。夢魔とムハイの関係とか言葉のこととか。あと、キーライのキャラにちょっとイラッ… 急にキレだしたり、頑張る負けるもんか!って突き進むのかと思いきや、突然「私は行かない!」って言い張ってみたりとか。気持ちに揺れが出るのは当然としても、その心理描写がないから、オイ突然どうした!って感じで… ちょっと入り込みにくかった2015/08/27