感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
後藤良平
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法律の本を初めて読んだ気がする。民法709条、715条と出てきて、最初は頭が痛くなった。しかし大川小事件の判決を詳細に解説され、この裁判の意味を理解出来た。悲しいのは、我が子を失いながら教育委員会や市の不誠実な対応に合い、真実を知りたいと裁判を起こした彼らに対する、世間の対応だ。大川小以前にも実例があり、全く関係の無い第三者が『どうせお金が欲しいんでしょう?』と、誹謗中傷をする。遺族に対する脅迫事件まで起きている。日本人も変なところがある。しかし生き残りの先生は何故出てこないのだろう。年間No.35購入。2023/03/27
Ohe Hiroyuki
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大川小学校国賠訴訟の原告代理人を務めた弁護士と消費者法の権威である教授が書いた本だ▼内容は、訴訟の解説に留まらず、民法の一般論から、法意識まで及ぶ。訴額をどのように設定するのか苦渋の決断があった等生の悩みが披見されている▼本裁判例については、多種多様な意見があるが、本書を読むと原告及び代理人がどのような思いで訴訟に臨んだか(訴訟に臨まざるを得なかったと考えているか)がよく分かる。▼内容は、一般の方でもお手に取って頂けるものであると思う。一法曹として、法律の存在価値を考える意味でも重要なテーマであると思う。2023/02/06
Daisuke Yagi
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何とも言えない気持ちになる。 報道されない“公”の闇と、それとまともに戦う民間。 それも、我が子の命を奪われた後に。 自分だったら、自分の子どもが通う学校だったら、どうだろうか…とも考えたが、考えるのを止めたくもなる。2023/07/06
卓ちゃん
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たまたま現場にいた個々の教員の「現場過失」のみを問題にするのではなく、平時から児童・生徒の安全のために災害を予見し、結果回避可能性を考えたうえでの安全確保義務違反としての県や市、学校等の「組織的過失」を認定したという控訴審判決の意義について、よく理解できた。大川小学校の先生方も当然ながら、決して児童を殺そうとしていたわけではない。亡くなった先生方の遺族も、県や市、学校等の組織に対し、教職員への安全配慮義務違反として訴えたかったことだろうと思うと、やるせない。2022/08/07