出版社内容情報
幅広い分野から、第一線の研究者が集った待望の書。国際的な視座から、人間を自由にするという都市の未来構築論を精緻に検討。高度成長対応型であった日本の都市法は、大きく変容しつつある。拡大型都市法から持続型都市法へ、行政による上からの計画策定と事業実施という構造の揺らぎ。人口減少社会への対応と、持続可能社会の実現に向け「ネットワーク化するガバナンス」をキーワードに考究。フランスとドイツの比較も含め、都市法の現代的諸相を解明。
はしがき
第1部 都市法の新たな課題―人口減少社会への対応と持続的社会の発展に向けて―
1 人口減少社会と都市法の課題〔吉田克己〕
2 現行都市計画制度の課題と改正試論〔中井検裕〕
3 これからの都市政策の課題と都市計画法の抜本改正〔石井喜三郎〕
4 立地適正化計画の仕組みと特徴―都市計画法的意味の解明という視点から〔亘理 格〕
5 都市縮退と過少利用の時代における既存不適格制度〔角松生史〕
6 空き家問題と賃貸借法の課題―定期借家および実践例の分析を手掛かりとして〔秋山靖浩〕
7 SRU法以降のフランス都市計画法をいかに性格づけるか―現代都市計画法の歴史的分析〔ノルベール・フルキエ/津田智成 訳〕
8 フランスは「持続可能な都市計画法」に向かっているのか?〔ジャン -フィリップ・ブルアン/興津征雄 訳〕
9 都市計画法における環境への配慮とフランス民法へのインパクト〔ユーグ・ペリネ- マルケ/山城一真 訳〕
10 ドイツ都市建設法における持続的都市発展の制御についての諸選択肢―法実践の視点から〔ヤン-ヘンデリク・ディートリッヒ/山下竜一 訳〕
11 都市建設法の課題としての持続的都市発展―ドイツにおける法的基本構造と発展傾向〔アルネ・ピルニオク/野田崇 訳〕
第2部 都市法の現代的諸相―ネットワーク化するガバナンス―
12 「ネットワーク社会」における「都市コモンズ」について〔尾崎一郎〕
13 計画の合理性と事業の公共性―《計画による公共性》論から見た土地収用法と都市計画法〔興津征雄〕
14 行政決定の技術性と政治性に関する試論〔野田 崇〕
15 フランスのの首都圏整備計画に関する考察―グラン・パリ構想の背景と展開〔鳥海基樹〕
16 フランス都市法におけるソーシャル・ミックスと所有権〔齋藤哲志〕
17 フランスにおける地方公共団体とグリーン成長―エネルギー問題を例に〔ジャン-フィリップ・ブルアン/興津征雄 訳〕
18 ドイツの都市計画契約―公民連携時代の都市計画を考える〔大村謙二郎〕
19 価値ある都市景観の民事法による保護?―個別的法益・集合的法益の保護について 〔アレクサンダー・ポイケルト/秋山靖弘= 野田崇 訳〕
吉田 克己[ヨシダ カツミ]
早稲田大学大学院法務研究科教授
角松 生史[カドマツ ナルフミ]
神戸大学大学院法学研究科教授
内容説明
持続型都市法への転換。人口減少社会への対応と、持続可能社会の実現に向け「ネットワーク化するガバナンス」をキーワードに考究。仏独の比較も含め、都市法の現代的諸相を解明する。
目次
第1部 都市法の新たな課題―人口減少社会への対応と持続的社会の発展に向けて(人口減少社会と都市法の課題;現行都市計画制度の課題と改正試論;これからの都市政策の課題と都市計画法の抜本改正;立地適正化計画の仕組みと特徴―都市計画法的意味の解明という視点から ほか)
第2部 都市法の現代的諸相―ネットワーク化するガバナンス(「ネットワーク社会」における「都市コモンズ」について;計画の合理性と事業の公共性―“計画による公共性”論から見た土地収用法と都市計画法;行政決定の技術性と政治性に関する試論;フランスの首都圏整備計画に関する考察―グラン・パリ構想の背景と展開 ほか)
著者等紹介
吉田克己[ヨシダカツミ]
1972(昭和47)年東京大学法学部卒業。東京大学博士(法学)、パリ第13大学名誉博士。現在、早稲田大学大学院法務研究科教授
角松生史[カドマツナルフミ]
1986年東京大学法学部卒業。1992年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。東京大学社会科学研究所助手、九州大学法学部助教授を経て、神戸大学大学院法学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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