内容説明
ドイツの憲法と憲法思想・憲法学についての洞察を中心として組み立てられてきた栗城寿夫教授の学問上の営為。その学風は、着実さを期す論証と抑制された筆致に徹し、読み手の知的創造力を刺激せずにはいない。その教授の古稀を祝うにふさわしく国内外から多数の研究者が寄稿。憲法学の核心問題に迫るものから、最新の論題まで計49の論稿が揃う(独語論文には翻訳付)。上巻は「第1部 人権論の新展開」を収録。
目次
第1部 人権論の新展開(憲法学における「ルール」と「原理」区分論の意義―R.アレクシーをめぐる論争を素材として;アメリカにおけるヒト・クローン禁止をめぐる憲法論―生殖の権利論;「個人の尊重」と拘禁者の労働賃金制―解釈基準としての憲法一三条前段による基礎づけ;憲法・民法九〇条・「社会意識」;基本権の内容形成―概念と類型;基本権保護義務論の位相と「平等の法律による具体化」について;人権保護における行政と司法―ドイツとの比較から;日本国憲法における「個人の尊重」、「個人の尊厳」と「人間の尊厳」について;科学研究の自由の限界と「人間の尊厳」―人クローン個体産生研究の禁止を素材に ほか)
著者等紹介
樋口陽一[ヒグチヨウイチ]
早稲田大学法学部教授
上村貞美[ウエムラサダミ]
香川大学法学部教授
戸波江二[トナミコウジ]
早稲田大学法学部教授
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