内容説明
世界的にも類をみない豊かな自然環境を有している日本において、経済成長のためにこの豊かな自然を切り刻んできた。その上、本来自然と共生する術を培って営んできたわが国の生活形態までも自然と対峙する強靱な姿に変貌させてしまった。本書は、スイスで始められた自然と共生する国づくりの考え方をいち早く日本に紹介し、今日までその普及に邁進した著者の原点となった環境土木工法の考え方と実践をエッセイとしてまとめた、社会のあり方を示唆する一書である。
目次
1 近自然の道―程道を拓いた人々(スイスでの近自然との出合い;造り酒屋の亀さん ほか)
2 先人たちの技に学ぶ伝統工法と近自然(伝統技術への畏敬;東海豪雨に耐えた矢作川水制 ほか)
3 フランス・スイスにみる共生型社会の原型(自然の風景;南フランス・リュベロン地方への旅 ほか)
4 共生型社会に求められるもの(森の復元;北上 ほか)
著者等紹介
福留脩文[フクドメシュウブン]
技術士(建設部門)/1級土木・1級造園施工管理技士。1943年、高知県生まれ。1967年、東海大学工学部土木工学科卒業。1974年、(株)西日本科学技術研究所を設立、代表取締役に就任。以降、人間の暮らしと自然保護を両立させる“新しい地域開発”の手法をヨーロッパ各国の先進地から継続的に学ぶ一方、わが国の自然素材や伝統技法を活用した環境土木技術を開発、普及し、これまで破壊してきた環境の復元を目指し、各地で実践活動に努めている。高知大学非常勤講師(自然総合・景観デザイン工学・砂防学)、(社)環境情報科学センター評議員、(社)日本水産資源保護協会水産資源保護啓蒙活動推進委員、(財)四万十川財団理事、四万十・流域圏学会副会長、(財)国立公園協会評議員、(社)日本ビオトープ協会顧問。農林水産省「人と自然が織りなす里地環境」検討委員会委員、国土交通省四国地方整備局自然環境アドバイザー、同九州地方整備局河川技術委員会特別委員。その他、高知、鹿児島、長野、熊本県などで様々な委員会の委員を兼任
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