内容説明
自然環境を保護・保全することの意義付けは周知徹底されてきたが、そもそもその自然とは何か。最近、「自然への配慮」、「生きものにやさしい…」等々、自然を改変する事業でのうたい文句となっている。しかしその実態は、必ずしもうたい文句通りに至っていないケースも多くあるようだ。その最大の要因は、その自然がどのように形成され、維持されてきたのかをしっかり把握しないで進められていることにある。本書は、その自然への認識と配慮することの意義について実践を通し解説を試みた。
目次
見方の整理(自然への配慮とは何か;インタビュー:魚の生態からみた魚道と河川環境)
生態を知る(ウシモツゴの生態的現状と移植の可能性;イバラトミヨ雄物型の湧泉と水路間の移動性;ドブガイの繁殖生態について―ニッポンバラタナゴの保護と環境保全 ほか)
合意のために(マルタウグイ産卵水域および産卵生態の観察;ブラックバス問題に対する人々の認識とその現状;環境教育の現状と課題 ほか)
著者等紹介
森誠一[モリセイイチ]
現在、岐阜経済大学助教授。京都大学で学位取得(理学博士)。淡水生物の生態学と行動学を専門とする。特に、トゲウオ類を中心に北緯35度以北の世界をフィールドにする。同時に環境保全のための活動を気負いながら実践している
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