内容説明
「体制改革としての司法改革の目的は、意思決定のルール化としての法の支配を日本社会に確立することである。法の支配は危機に対処するための私たちの政治的決断能力を法律の手枷足枷によって麻痺させると心配する向きもあるかもしれないが、これは全くの誤解である。事態は逆である。」(序論より)。司法改革から日本型意思決定を問う。
目次
序論 司法改革論議を改革する―「戦後の国体」の改造に向けて
第1部 司法改革の背景―日本型意思決定システムの挫折と変革(日本経済を破綻させた意思決定の欠如;金融監督庁から金融庁へ―金融行政のルール化と今後の展望;企業はルール化を望むのか―市場経済における弁護士の役割 ほか)
第2部 司法改革への視座―“正鵠を射る改革”のための構想と提言(社会のルール化と司法の役割;司法官僚制と裁判官の意思決定;司法改革のために必要なこと ほか)
著者等紹介
井上達夫[イノウエタツオ]
東京大学大学院法学政治学研究科教授
河合幹雄[カワイミキオ]
桐蔭横浜大学法学部助教授
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