内容説明
21世紀を迎えた今日においては、社会生活の様々なレヴェルで国際的な交流がますます盛んである。こうした状況を踏まえるならば、法学を専攻する者にとっては、いずれの分野にあるにせよ、国内法のみならず比較法・外国法に関する相当の知識を有することが不可欠であるように思われる。さらに実務との関係でも、取引は国内企業相互のみならず様々な外国企業との関で一層頻繁になされ、その際には大陸法と英米法の相違がどのような点にあるか、極東アジア法の特質は何であるか、日本法が世界の諸法の中でどのように位置づけられるかなどについて、十分理解していることが円滑な商活動に必要となっている。本書は、現在のわが国における研究の最高水準を盛り込むかたちで比較法の諸相を概観し、こうした研究実務双方の要請に応えようとして企画されたものである。
目次
第1部 比較法原論(総合比較法学の推進を願う;法の比較についての方法的考察―「比較法社会論」のために;比較法文化論における習俗と法律・法―モンテスキューとルソー;ロシア専制論からの視角;穂積陳重と比較法学 ほか)
第2部 外国法の諸相(イギリスの憲法改革と地方分権;世論と裁判所とをつなぐもの―米国におけるアミカス・キュリィとロー・クラーク;ラングデルの功罪―大学における法学教育;フランスにおける政府高官の刑事責任 ほか)
著者等紹介
滝沢正[タキザワタダシ]
上智大学法学部教授
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