出版社内容情報
内容説明
フランス・コミック界の異端児ヴィンシュルスがおくる贋作「ピノキオ」。アル中の警部、ボブ、強欲な発明家ゼペット、不気味な大量破壊ロボットピノキオ、ろくでなしホームレスワンダー&バロン、白雪姫フェチの色情狂7人の小人。下品で悪意に満ちたキャラクターが奇妙に絡み合う、大人のための邪悪なファンタジー。2009年アングレーム国際漫画祭最優秀作品賞。
著者等紹介
ヴィンシュルス[ヴィンシュルス][Winshluss]
1970年、フランスのラ・ロシェル生まれ。本名ヴァンサン・パロノー。1970年代半ばから『Jade』『Ferraille』といった雑誌でコミックを描き始め、1999年に初の単行本『Super Negra』を発表。以後、作品を小出版社から発行し、注目を集める。その一方で、アニメーション制作にも携わり、2007年に公開された『ペルセポリス』では、原作者のマルジャン・サトラピとともに監督を務め、2007年のカンヌ映画祭で批評家賞を受賞。2008年に本作『ピノキオ』を発表し、翌2009年にアングレーム国際漫画祭にて最優秀作品賞を受賞した。『ピノキオ』はイギリスやアメリカでも翻訳され、その才能はフランス国内にとどまらず幅広い関心を集めている
原正人[ハラマサト]
1974年生まれ。学習院大学人文科学研究科フランス文学専攻博士前期課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
芍薬
16
利己的で下衆でちょっと酷かったです。ブラックユーモアもグロもおっけーなのですが、子供が絡んで個人的に精神削られる作品でした。2014/06/16
りー
13
くだらないし薄汚い。しかしそれがどこか物悲しい。大変にスラムでパンクな大量殺戮兵器ピノキオの話。バンデシネは日本のマンガ感覚で読むとその純粋なボリュームと詰め込まれた情報量に圧倒されてしまうものが多くて、あくまでマンガとは別物なんだと腰を据えて読まないといけない。しっかり読み込むと数々の伏線とその回収が秀逸なんだけど、そもそもの下劣さに耐性が無いと読むのに苦労することは請け合い。ピノキオは原作もそうだけれど結構読む人を選ぶ本なのかもしらん。2014/02/10
まみ
13
ピノッキオのストーリーを翻案したバンドデシネ。シュールでブラック。ゼペットじいさんもジミニーもほんとろくでもない。終始無表情でばんばん殺戮してしまうピノッキオにいつの間にか愛着を覚えてしまうからふしぎ。かわいいの。ピュアなの。人間になんて、ならなくていいんじゃない。2012/05/13
ROOM 237
11
【手塚先生?】フランスのバンド.デ.シネ(漫画と画集のハイブリッド)作家が描く、ダークファンタジーピノキオ。ずっしり重い圧巻の200頁オールカラーの冒険ミステリ仕立ては、ほぼセリフなしだけどじっくり読んで眺めて楽しめました。金儲けのため大量破壊兵器ロボットのピノキオを作り、軍に売る男の風貌がどう見ても手塚先生。ピノキオはアトム?そして盲目の家無し黒人ワンダーはどう見たってS.ワンダー。綺麗な表紙に対し中身はブラックでちとグロい中、白雪姫も参戦。唯一無二の素晴らしい才能、図書館本だけどこれは買い。 2019/12/19
メセニ
6
完全にR指定版『ピノキオ』といった内容。グロテスクでダーク。昔読んだり見たりした木の人形の彼でなく、破壊兵器ロボと化したピノキオ。あの名作をバンドデシネという形でよくもここまでアレンジしたなと。とても面白かった。本筋とは関連性の分からない挿話の回収の仕方もお見事といった感じ。ただ大人でもダメな人はダメかもなー。お子さんいる家庭では絶対に手の届かない所に仕舞っておいてください。飾っておきたくなるような装幀だけに余計に。2018/04/21
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