内容説明
「日本代表」という現象のなかでは、普段は関心すらなかった他人たちと一緒に「みんな」になれる―どのような歴史的経緯がこの「日本代表」という現象を生み出し、どのような社会的・文化的・政治的・経済的諸力が「日本代表」に特定の意味や価値を与えてきたのか。日本代表は当然そこにあるのではない。そこには、様々な人たちの思惑や欲望が投影されてきた歴史的で人為的な努力の痕跡がある。
目次
「日本代表」を論じるということ
第1部 サッカーと代表(サッカー日本代表と「国民性」の節合;川口能活氏との対話―日本代表・ワールドカップ・身体;高倉麻子氏との対話―世界基準からみた日本女子サッカー;なでしこジャパンはなにを代表/表象してきたのか)
第2部 歴史/空間(「日本代表」の誕生(1912‐24)―オリンピックへの参加とスポーツの国家的意義
「日本代表」意識の醸成(1928‐38)―オリンピック熱の高まりとナショナル・アイデンティティ
時代の中の「ナショナル・スタジアム」―一九四〇・一九六四・二〇二〇東京オリンピックの経験を通じた「日本的なもの」の行方
最終聖火ランナー・坂井義則―‘64年東京オリンピックの創られた代表)
第3部 メディア/ジェンダー/身体(「サムライ」とプーサン―「羽生現象」から見る日本代表の「男らしさ」;メディア「ジャパン」の記憶と現在―全日本バレーボールの60年;代表という身体の生産―国策としてのエリートアカデミー)
著者等紹介
有元健[アリモトタケシ]
1969年福岡県生まれ。国際基督教大学教養学部上級准教授。専門はカルチュラル・スタディーズ、スポーツ社会学。スポーツとメディア、ナショナリズムの変わりゆく関係を研究中
山本敦久[ヤマモトアツヒサ]
1973年生まれ。成城大学社会イノベーション学部教授。カルチュラル・スタディーズ、スポーツ社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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