内容説明
日本の近代が抱え込んだ「憂鬱なる孤独」に、心身を賭して向き合った漱石。その苦闘の軌跡を、『三四郎』から『明暗』まで八つの作品を対象にして読み解く。没後百年を経たいまなお、われわれを惹きつけてやまない漱石の魅力の源泉に迫る。「思想」としての漱石論の決定版。
目次
はじめに 思想としてのメランコリー
第1章 トライアングル・モデル―『三四郎』
第2章 転調する内省―『それから』
第3章 自意識か悟道か―『門』
第4章 内向的人間の成立―『彼岸過迄』
第5章 現実を失う過敏―『行人』
第6章 告白と負い目―『こころ』
第7章 演出される自己―『道草』
第8章 関係が関係する―『明暗』
著者等紹介
小林敏明[コバヤシトシアキ]
1948年、岐阜県生まれ。1996年、ベルリン自由大学学位取得。ライプツィヒ大学教授資格取得を経て、2015年までライプツィヒ大学東アジア研究所教授。専攻は、哲学、精神病理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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