内容説明
ジュネが愛してやまなかった綱渡り、中原中也の詩「サーカス」の舞台裏のエピソードなど、サーカスを切り口に、歴史・美術・映画・文学を横断しながら“サーカス学”という新たな文化空間を切り拓く。
目次
第1章 綱渡りの詩学
第2章 心に秋を抱いたクラウン、エンギバロフ
第3章 中原中也とサーカス―サーカスとブランコ
第4章 ロシア・アヴァンギャルドとサーカス
第5章 熊の神話学
第6章 旅する象・叛乱する象―映画の中の象物語
第7章 インディアンロープの伝説
第8章 竿芸のフォークロア
付録 対談 桑野隆×大島幹雄―「サーカスの世界」から「サーカス学誕生」へ
著者等紹介
大島幹雄[オオシマミキオ]
1953年宮城県石巻市生まれ。早稲田大学第一文学部ロシア文学科卒業。在学中はメイエルホリドを研究。ソ連・東欧などのアーティストを招聘する会社を経て、アフタークラウディカンパニー(ACC)に勤務。イベントや公演をプロモートし、日本各地のテーマパークに海外のサーカス団を招く仕事をしている。またデラシネ通信社を立ち上げ、ウェブサイト「デラシネ通信」を主宰するほか、雑誌『アートタイムズ』を刊行している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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kenitirokikuti
9
綱渡り、パントマイム、空中ブランコ、熊・ゾウ(と猛獣使い)、竿芸(高い柱や梯子のてっぺんでの曲芸)。ひさしぶりに思い出す言葉が多い。「ひとさらいとサーカス団」というフォークロアも直に聞くことはなくなった。ユーラシア大陸では「熊」が獣の王であった。アーサーの語源は熊だったっけ? ゴジラにはつい恐竜を連想しちゃうけど、ほんとは直立した熊だなぁ。サーカスの熊の調教はけっこうえげつなく、数日間水をやらず塩鮭を食わせて限界まで渇き切ったところに酒を飲ませて泥酔させて牙や爪を除くのだそうな。2019/11/09
蕃茄(バンカ)
1
綱渡りやクラウン、またサーカスという言葉が普及したきっかけ、芸の起源などサーカスを中心にした文化史の本。クラウン・エンギバロフのために捧げられた詩は感動的です。2015/10/09
みくに
1
作者の人は還暦越えてるんだー。それにしては子供っぽい巻末対談だったなあ。やたらアバンギャルドを連呼してたし…。その前までの色んなところに繋がっていくサーカスの話は面白かったからむしろ対談は読まなくてもいいかも知れないです…。2015/07/15