内容説明
十九世紀初め、パリのパサージュを通行する群衆のなかに小説の登場人物と読者を発見し、彼らの欲望が織りなす来るべき近代社会の縮図を全く新しい知的パラダイムのもとに壮大な小説群『人間喜劇』として描きだしたバルザックの創造の秘密に迫る野心作。
目次
闘うバルザック
1830年〈パリもの〉の誕生
私生活の発見
小説のパサージュ
両性具有―sexualit´eの顕現
「動物」はいかに分類線を横断するか
遠征―異種との遭遇
解剖小説家
活字鋳造・植字・組版
地上を天上に折り畳む論理〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ピンガペンギン
20
国王に代わって書物とその知を所有する主体は、(中略)大衆であり、大衆に知を配る近代ジャーナリズムになった(p11)当時は小説を読みたい読者が多くなったが、1冊の値段が高くて、また貸本読書室という存在があったのでバルザックの言では「この貸本読書室こそがわれわれの文学を殺しているのです」。1000部出版されると200部が個人購入されて、800部は貸本室に、うち500部以上がパリの貸本室にまわったという(P21)。現代日本でも多数の小説が出版されているが、単行本をどんどん買える人は一部だと思うので→ 2023/10/09
kuwakuwa
0
第一章だけ読んで、断念。確か書評を読んで買い求めたが、時間が経ちすぎて何を面白そうだと思ったか忘れてしまった。2014/02/05
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- 洋書
- I.R.L.