内容説明
いま文化変動とともに非常に重要な社会的変動が起きつつある。本書はモダン、ポストモダンの全体的な考察をとおして、われわれが直面する現実の基本的な問題を批判的に提示する。
目次
1 序―映画のレプリカントと社会的現実
2 ポストモダニティ―概念の歴史
3 近代と近代への不満
4 ポスト産業社会からポストモダニティへ
5 消費社会―来るべき事物の(無)形
6 ポストモダニティ、一千年紀末と未来
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mealla0v0
5
ポストモダニズムが文化的状況だとすれば、ポストモダニティは社会的状況である。それは、情報コミュニケーションの発達と消費社会の2つによって特徴づけられている社会状況である。本書の主張は、ベル、ボードリヤール、リオタールの議論を社会学的に整理したものであるが、原著94年刊行のため、今読んでみれば話題と枠組みの古さに驚く。それもまた一つの時代の言説ということだろう。ポストモダニティにしても消費社会にしても、今更の話題と思われるものの、現在の起点のひとつと捉えておきたい。2021/05/21
Ecriture
5
西欧思想は神の一直線の「摂理」から近代(ヴィクトリア朝・西洋植民地主義・アメリカ開拓)の「進歩」へと道を譲り、さらには「ニヒリズム」を通過してポストモダニティへ移行した。文化に力点を置き、諦観にとらわれたポストモダニズムに堕することなく、情報社会の分析・制度設計に資するポストモダニティ研究が必要。その黄昏に待ち受けるのはハーバーマス・ギデンズ的ハイモダニティを経由した未完の近代か、弱者への連帯と批判の刃を備えたバウマン・テーラー的ポストモダニティか、はたまたプレモダンへの回帰か。2013/06/06
抹茶ケーキ
0
ポストモダン論の入門書。「ポストモダンとは消費社会以外のなにものでもない」みたいな言い方をしててずいぶんと片寄ってるなと思った。消費社会はよく取り上げられる側面ではあるけど、それはやっぱりポストモダニティの一側面でしかないのでは。あとドゥルーズの名前がまったく出てこなかったのが意外だった。2016/03/29
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