出版社内容情報
ワイマール体制崩壊期の激動する時代のなかで、フロイトとマルクスの理論を武器に、ファシズム発生の基盤をなす大衆心理の様相を鋭く分析した、ライヒの名著
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ask_smmt
2
ファシズムは、社会主義としてマルクス主義を基礎としつつも、宗教的な神秘主義を利用して覇権を握った。2025/02/23
井蛙
2
世界恐慌はなぜドイツにおいて共産主義革命ではなくファシズムを招来したのか。マルクスが見逃しているのは下部構造と上部構造のダイナミズムである。イデオロギーを大衆が受容するプロセスを解明するため、ライヒが導入するのがフロイトである。家父長制的家族主義およびキリスト教は性を抑圧することによって、ファシズム権威主義の覇権を準備する(この段階でユダヤ人イエスとキリスト教の荒唐無稽な切り離しなどが行われる)。けどナチスのハーケンクロイツは性のシンボルだ!ということまで言われると急に胡散臭くなるんだよね。2018/02/11
へのへのもへじ
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2011年3月11日以降の「この国」の危うさを正確につかむための基本図書。2011/03/31