内容説明
今を生き抜く知恵の宝庫。アリとキリギリスなど全80話を解説付きで収録したほか、天才版画家ドレの挿画116点も収録。
著者等紹介
谷口江里也[タニグチエリヤ]
言葉、ヴィジョン、建築、音楽などの空間表現をとおして、多彩な空間価値創造の仕事を展開する表現者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
51
イソップ童話をベースにしたの80作の寓話がおさめられています。古くから愛されている寓話ですが、意外とブラックなのだと感じました。もしかしたら有名なイソップ童話は子供向けにハッピーエンドにしたもので、こちらが本来イソップが書いていたものなのかもしれません。ドレの美しい挿絵と共に黒い寓話を楽しみました。2015/03/21
田中寛一
16
ドレの緻密で迫力のある挿画に圧倒される。最初の「アリとキリギリス」のドレの装画もアリ・キリギリスではなく人物が描かれている。細かな線によって人の表情、物、風景が描かれ、その絵を含め寓話の捉え方を現代に置き換えて解説されている。ラ・フォンテーヌの寓話が約300年以上前の時代背景の中で紀元前のイソップ寓話を捉えたのだから、現代に合わせたものにしたという。人間を含めた生き物たちの物語から多くのことに改めて気づかされた。「ライオンとブヨ」「猫を愛した男」「痛風とクモ」などこんな話もあったんだ。2019/02/18
roughfractus02
7
古代ギリシアのイソップの寓話を17世紀人ラ・フォンテーヌが訳すとルイ14世の帝王学が加わり、19世紀人ドレは資本主義的な価値観を取り入れる。「センチコガネとアリ」が「セミとアリ」へ、日本や米国で「アリとキリギリス」に変わるのは、昆虫の生息域に関係するという。ドレはこの話を人物化し、家を訪ねるジプシー女を拒絶する母に喩えた(表紙画)。訳者は両者の間にいる娘の立場で現代的解釈を施す。擬人化された動物や自然が何を指すかを時代に委ねる寓話は、作者にも比喩の力を行使する。イソップが寓話の作者かはまだわかっていない。2022/10/12
ひ
0
なんとなく手に取りました。