内容説明
第9回『このミス』大賞優秀賞受賞作品。有機化合物の合成ルートが浮かぶという特殊能力を持つ、有機化学を専攻する東大院生の藤村桂一郎。ところが初恋によって、その能力を失ってしまった。悶々とした日々を過ごしていた彼の前にある日、「あなたの恋を叶えてあげる」と、死神を名乗る少女、カロンが現われて…。東大で理系草食男子が巻き起こす、前代未聞の“日常系コメディ”登場。
著者等紹介
喜多喜久[キタヨシヒサ]
1979年、徳島県生まれ。東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了。『ラブ・ケミストリー』で第9回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し、2011年デビュー。大手製薬会社に研究員として勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょこまーぶる
121
ミステリーは薄く恋愛ものとしてちょっぴりドキドキしながら気軽に読める一冊でした。有機化学を研究している理系男子の初恋の話ですが、彼の何とも言えない不器用さと言うか無垢と言うか・・・そんな彼に共感でき理系男子に限らず世の男子には多いのではないかと思えるほどでしたね。恋によって彼の天才的能力が失われて死神が救世主として現れるのですが、不器用男子にとってはこんな死神なら逢ってみたいだろうと思える死神でした。そして、彼女とは上手くいかなかったけど、性同一障害の友人と彼の間でのお互いの命を分かち合う関係は素晴しい。2015/06/06
た〜
91
カロンがもっと神々しいのかとおもいきや、なかなかのお茶目さんだった。オチとしてはほぼ予想通り(真下さんの扱いが投げっぱなしに近いこと以外は)だし、心理描写も甘いけれど、全体として面白かった。2016/09/29
gonta19
90
2014/4/5 Amazonより届く。2016/2/11〜2/14喜多氏の有機化学ラブコメ。何十年ぶりかのインフルエンザに伏せりながら読了。有機化学ではないが、同じ化学を生業とする私にとって非常に共感出来る内容。今回、イナビルを処方されたが、これらのインフルエンザの薬も有機合成屋さん達のおかげなんだよな。しかし、本当に桂一郎のような能力があれば良いよなぁ。2016/02/14
キングベルⅩ世
85
SFというかファンタジーというか、とにかくミステリーではなくラブコメ要素が強い。オチはちょっと強引で拍子抜けな感じは否めないけれど、読みやすくて漫画のような展開やセリフは面白かった。化学の知識なんかは全く不要だし、わかりやすい説明もあり。真下さんより岩館さんの方が圧倒的に魅力的なのは文章だからかなぁ…。しかしタイトルは改題前の「有機を持って恋せよ」の方がこの作品に合ってて絶対面白いと思う。2015/03/10
hirune
81
依頼者は誰かなぁ?と何人か候補を考えてたけど、最後まではっきりはわかりませんでした。しかし、こんな力技的なんでもアリのハッピーエンドなんて…大好きですよ^^;でも藤村桂一郎クン、単なる面喰いなだけじゃないの??アンタ。他の研究者からしたら垂涎の、反則まがいの能力を持ってるくらい有機化学の神様に愛されてるんだし、寿命も半分になっちゃったんだから、サッサとノーベル賞でも何でも取っちゃってください!(強力な内助の功も期待できるしね☆)2015/11/10