内容説明
山口組を電撃引退し、天台宗系の寺院で得度した武闘派組織「後藤組」の後藤忠政元組長(得度名=忠叡)。極貧の生い立ち、愚連隊時代、創価学会との攻防、山一抗争、伊丹十三襲撃事件、民族派・野村秋介との出会い、政財界との交流、そして山口組引退へ。生か死か?テレビ、雑誌で大反響を呼んだベストセラー自叙伝が、新章「東日本大震災と日本人」を加えて遂に文庫化!伝説の組長の怒涛の生き様。
目次
「是でもなく、非でもなく」
血筋
富士宮愚連隊
イケイケの時代
創価学会との攻防
山口組直参
生涯の友・野村秋介
東京進出
バブルの勝者
政界の品格
渡米肝移植
引退の決意
得度
東日本大震災と日本人
著者等紹介
後藤忠政[ゴトウタダマサ]
東京市荏原区(現在の品川区の一部)に出生。本名・後藤忠正。元山口組後藤組組長。2歳で父の郷里・静岡県富士宮市に疎開して以降、同地で育つ。祖父・幸正(本名・幸太郎)は富士川発電(後に東京電力に吸収合併)や駿河銀行(現在のスルガ銀行)、駿豆鉄道(伊豆箱根鉄道の前身)などの創設に携わった。1984年四代目山口組直参。山一抗争を経て89年に五代目山口組直参、2002年同若頭補佐。05年六代目山口組の舎弟に直る。08年10月引退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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サトシ@朝練ファイト
30
著者の名前を初めて知ったのは、伊丹十三氏が襲われた事件である。武闘派として知られ事務所の建物は要塞の如く、襲撃前はキャンプ合宿したことが有名、創価学会との確執もそう言うことかい。祖父母、両親、兄弟の話が印象に残るが、この人の場合家庭がしっかりしていれば全然違った道を進んでいたと思う。反社会勢力の代表格なのでとても褒められたものではないが、政治家、日本経済、社会問題等に対する目線はむしろ常識的で結構興味深く読めました。2018/08/16
ごへいもち
28
前半はとてもついていけない話で読んでいて気分が悪くなりそうだったけど、それなりの人生だなぁというのが読後感。特にこの文庫版では東日本大震災での「大活躍」が追加されているのがうまいなぁという感じ。そしてなんでこんなにいろいろ知っているんだろうと情報収集力には感心した2012/11/20
遅筆堂
23
むちゃくちゃなんだけれども、よくこれだけ語ったという感じ。背景の広さは組織の巨大さ・強靱さを示す。静岡県に住むものとして馴染みのある組織であるが、特に中に出てくる某組織については30年も前から近所の方々みたいによく耳にした。あの場所、この場所と思い出す。文庫本版は、東北関東大震災の事が触れられている。ヲレも参加して重油・軽油など支援物資を届けた南相馬市も出てくる。その状況はヲレが見聞きしたのとまったく同じ。文庫本の印税は、この震災復興に全額寄付するとのこと。購入して読んだので、少しでも役に立てばと思う。2011/05/30
しあん
19
読んだ後に、著者について検索し、内容を比べるのもまた面白かったです。多分、インタビューを文字に起こしたのかな、というような文体でした。その分、勢いや元組長の気持ちが伝わってくるような語り口の文章でした。学会との攻防や、総会屋について、政治家との関わりの辺りが興味深かったです。それと、アメリカで受けた臓器移植の下りが。2018/03/25
岡 幸治
19
山口組の大きな歴史にその名を残すであろう後藤組元組長の人生と世の中への思いをしゃべった本。戦後の裏歴史と言っても良いような内容がポンポン飛び出る。現在の政治家も宗教もマスコミもこの人の筋の通った生き方には全く歯が立たない。痛快な生き方に去り方。やくざを辞めてからもなお人を引き付ける魅力のあるこの男は東北大震災でも活躍している。選挙で落ちたらただの人と言われる人たちもこの人の様な魅力ある大人(たいじん)であって欲しいと感じた。まさに「憚りながら」やくざに言われちゃ世話ねえけどというスタンスが小気味よい。2013/09/23