出版社内容情報
第6回『このミステリーがすごい!』大賞 大賞受賞作、待望の文庫化! 元フレンチシェフが描いた魅惑のグルメ・ミステリー。
内容説明
結婚披露宴の翌日、神戸ポートタワーで刺殺体が発見された。被害者の勤務先が、料理評論家・中島の義理の息子・義明が社長を務める会社ということをつかんだ兵庫県警捜査第一課の刑事・青山。さらには義明が失踪していることを知った青山は、不審な業務用輸入食品に着目し、専門家の力を借りるべく「ビストロ・コウタ」を訪ねることになった。港町・神戸を舞台に新進気鋭の料理人が覗く、美食界の闇とは。
著者等紹介
拓未司[タクミツカサ]
1973年、岐阜県生まれ。大阪あべの辻調理師専門学校を卒業後、神戸のフランス料理店に就職。その後様々な飲食業に従事。第6回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作『禁断のパンダ』(宝島社)にて、2008年1月デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
99
うわ、きもさぶ!上巻の途中からまさかそんな真相ではあるまいと思っていた通りの展開でした。最後にお約束で木下貴史覚醒を書いているのに、続編は「幸太、お前もか!」なんだね。読んでみたくなった。2015/07/27
りゅう☆
95
フランス料理の美味しそうな描写が印象的な上巻に対し、殺人事件の展開が一気に駆け抜けた下巻。セレブな美食家、優秀な才能溢れる料理人、密輸入の疑い、第二第三の失踪者…とくれば、どんなことが起こってるのか容易に推測。青山の単独行動に不安はありつつも、エールが送れたのは頭の固い警察幹部にイライラしたから。幸太と綾香が危ない!大丈夫なの?助かるの?とハラハラしつつ、でもこれって続編ありって知ってドキドキ感半減。パンダの罪も明かされたけど、欲まみれたエゴって醜いね。ちょっと端折った感あったので物足りなさはあったかな?2017/11/30
セウテス
86
【ビストロミステリシリーズ】第1弾下巻。上巻とガラリと変わり、此方は緊迫のサスペンスが強い。何となく、物語のオチを感じて仕舞うのは仕方がないのかも知れないが、ミステリとしてはかなり物足りない。謎らしき謎も無く、これといったトリックもない、むしろ純粋に料理エンターテイメントである方が、良かったのかもと感じる。美食と殺人の繋がりとすれば、結構想像しやすい部類ではないかと思う。ひとつの料理と殺人、又は事件に連なる料理の意味などにした方が、謎解きの幅は広がっただろう。選び抜かれた料理と、その描写にはお腹が空いた。2021/05/07
むっちゃん✿*:・゚
49
上巻からの一気読み!『禁断のパンダ』の意味もよくわかりましたが…ギャー(@ ̄□ ̄@;)!!です。もう背中がゾワゾワ。前評判から何となく覚悟はしていたものの、実際読み進めていくとそのゾワゾワ感に何度も目をそらしたくなりました。なんか…次は…爽快な本読みたいなぁ…f(^^;2016/02/01
いずむ
39
美味追求。ただその欲望を満たすために。その禁断へと続く道の先に待ち受けているのは、神の審判か、悪魔の微笑か。神がパンダに下し給う罰を、しかし、人は未だ下されてはいない。究極の逸品を求める、あまりに純粋なる昏い欲望。美しく飾られたその一皿が想像できてしまうから、おぞましさに身の毛がよだつ。しかし、身の毛がよだつほどに思い浮かべられてしまうからこそ、心の深く奥底で鎌首をもたげる欲望があることも、同時に自覚させられる。知りたい。食べたい。飽くことを知らず行き着く最奥で、ヒトは倫理と欲望、どちらに傾くのだろうか。2012/06/29