内容説明
「都庁は世界貿易センタービルのような、やわな崩れ方はしない。テロ対策には万全を期している」と都知事が豪語していた超高層ビルがテロリストに脆くも爆破された。とうていのむことのできない要求、決断を迫られるなかで反目する都知事と首相、サリンを撒き散らす巨大な噴霧器に都庁を改造するテロリスト…悪夢のシナリオを精密なシミュレーションで描くパニック・サスペンスの名作。
著者等紹介
高嶋哲夫[タカシマテツオ]
1949年、岡山県玉野市生まれ。元・日本原子力研究所研究員。79年、日本原子力学会技術賞受賞。米国での研究活動を経て、帰国後、文筆活動を開始。『イントゥルーダー』(文春文庫)で「99年度サントリーミステリー大賞」を受賞。知的エンターテインメントの第一線作家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Pure
8
無さそうで有りそうな都庁ジャック。テロリストの動機、そのうらで暗躍するトレーダーの存在などはリアリティがあり引き込まれました。しかし、最後の決着が単なるハードボイルド、ヒーロー物になってしまったのは惜しい。政治的駆け引きによる決着を期待していたので肩透かしを食らった感があります。2014/08/14
みすまりも
8
地下鉄サリン事件、9.11、振り返れば現実に起こったこと。ならばあながち小説の中の絵空事とは言い切れないのが怖い。「TSUNAM」といい、「M8」といい、この作者の作品で描かれることはどれも明日にでも起こりうると思わせる。警鐘としなければいけないのに実際は…と思うと怖さも倍増です。2013/03/18
ぼのり
7
テロと政治、経済、宗教、人種、難民問題など…色々複雑過ぎて難しかった。今まで読んだ高嶋さんの災害シリーズが読む映像ってくらい臨場感があってすごく面白かったのに対しちょっと入り込めないまま読了。一番印象に残ったのは朝美ちゃんの大人顔負けの観察力・判断力・冷静さ…一体何歳⁉ ︎(2018/013)2018/01/27
I love Michi
6
読み始めたときに、最近の本かと思ったら、なんと14年前(2002年)というからびっくり。この作家、彼が憂慮している地震・津波などが、発刊後に実際起きているのだから先見の明(?)に驚く。日本でのテロもありうること。まだまだ日本人には危機感がないと思うが、テロの問題、貧困の問題、難民の問題等々、我々が目を背けることなく考えなければならないことがたくさんある。日本で享受することのできる平和・安定・医療などは決して当たり前ではないことを再度考えて、広く世界に目を向ける必要がある。2016/07/29
テニやす
4
高島氏は 事件→絶望的ダメージ→リーダーシップ バリバリ→日本ダメージ→復興 って流れ。危機はいつか日本にもくる。その中で リーダーシップを発揮する人を希望している それは アベ ではない。希望、願望と いつか来る現実。 2014/05/08