内容説明
歌舞伎町バラバラ殺人犯のヤクザの妻・サクラは言った。「こんなに働いてない人の多い街って、ないよね。…なのに1日何万もお金作っちゃう」「図々しくて、神経強くて…。お金なんか持って、この街に来ちゃダメだよ。ハイエナいっぱいいて、潰されるんだから」。風俗嬢、ヤクザ、ホスト、高利貸し、キャッチetc.家田荘子が、自らの原点の街・歌舞伎町でシノグ人々を追う。
目次
歌舞伎町
葵―月収500万円のトップキャバクラ嬢
サクラ―歌舞伎町バラバラ殺人犯のヤクザの妻
神田組長―すべての闇に顔を持つ現役バリバリ組長
木場組長―巨大マーケットを押さえる麻薬の総元締め
渋谷・田端―外国人売春婦の元締めと舎弟
モハマド・パトリシア―麻薬の売人とコロンビア売春婦の夫婦
亜希―ホテトルの美人女社長
中野―すご腕闇金経営者は元首相の隠し子
まみ―現役銀行員ヘルス嬢〔ほか〕
著者等紹介
家田荘子[イエダショウコ]
作家・高野山真言宗僧侶。91年、エイズ患者の等身大の姿を描いた『私を抱いてそしてキスして―エイズ患者と過した一年の壮絶記録』で第22回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞する。常に現場に足を運び、取材対象と確かな信頼関係を築いて、良質なノンフィクション作品を多数執筆、高い評価を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふらんそわ
3
家田さんの作品はこれが初です。こんなにやばい話を聞き出せているその取材力は圧巻でした。こんなすごい街なのね。。一つ一つのエピソードにインパクトがあるのは当然ながら、間、間にさり気なく挟んである人々の様子も長年取材をしてきた人ならではの視点で描かれていてとても興味がわいた。それにしても本当に???!って思うほど仰天な世界だなあ。2013/12/28
姉勤
3
遵法という観念などハナから無い歌舞伎町に棲む登場人物たちのルポルタージュ。事の善悪はともかく、彼らが非常にアグレッシブで生の充足を得ていると感じる。彼らの才覚や行動力が大金を稼いでいるというよりは、意志を持った大金が、エンジンのして彼らを使役しているようにも見える。法は犯すが、組織や自らの課した掟は絶対に守る。そんな彼らには、金以上のカタルシスがあるのかもしれない。2013/04/17
Hiyori
2
家田荘子の本は久しぶり。昔結構読んだ記憶がある。いつも知らない世界を覗きたい好奇心を満たしてくれる。しかし家田さん、親分と正面から向き合える肝の強さにはあっぱれ。着実に築いてきた信頼関係あってこそなせる技なんだろうけど。2016/03/06
あほーす
2
古本屋でふと目にとまって購入。歌舞伎町に巣食う人々を紹介メインでインタビューをしていく形式は、歌舞伎町という小さな街が濃い密度の繋がりで形成されているんだなと思わせてくれる。筆者の時々見える「私歌舞伎町のちょっとした顔なのよ」と言いいたげな書き方は少し鼻についたけども、それも歌舞伎町で取材を続けた筆者の自信の表れなのだろう。今まで読んできたノンフィクションの中ではかなり面白い部類でした。今度『極道の妻たち』探して読んでみよう2012/05/29
岡 幸治
2
ヤクザ・不良外人・風俗と、違う世界の話しがこれでもかと出てきます。普通に覚せい剤を動かしてる話しなど、小説にしてるだけで、良いのかーっと思いつつも、興奮して読みきってしまいました。2010/10/05