内容説明
屁理屈をこね、言いがかりをつけ、呪いの言葉を吐く光源氏。『源氏物語』はセリフが面白い!本書では主人公光源氏のことばのうち、若紫、葵の上、六条御息所、藤壺中宮などの女性たちをめぐるセリフに着目して物語を読む。口説き文句から恨み言まで、恋の道をひた走る光源氏のリアルな姿が見えてくる!
目次
序章 屁理屈をこね、言いがかりをつけ、呪いの言葉を吐く光源氏
1 若紫との出会いをめぐるセリフ(童女に言い寄る光源氏―若紫巻「私に抱っこされてお眠りなさいな」;童女を見初める光源氏―若紫巻「愛を捧げるあの方に、たいへんよく似ているから、この少女から眼を離すことができない」 ほか)
2 葵の上・六条御息所をめぐるセリフ(正妻を持て余す光源氏―若紫巻・末摘花巻・紅葉賀巻「おれの浮気の原因は、おまえにあるんだよ」;正妻に惚れ直す光源氏―葵巻「一人の男の妻と恋人とという関係にある女性どうしは、思いやり合うものだ」 ほか)
3 藤壺中宮をめぐるセリフ(継母と密通する光源氏―若紫巻・紅葉賀巻「どうして、欠点の一つもお持ちでないのだろう」;継母と子を成す光源氏―紅葉賀巻・葵巻「私は、果てのない心の闇に、何も見えなくなっています」)
4 若紫との生活をめぐるセリフ(童女を待たせる光源氏―紅葉賀巻・花宴巻「『朝に夕に恋人と逢って、恋人との関係に満ち足りる』のは、よくないことなんですよ」;童女を女に変える光源氏―葵巻「お加減が悪いようですが、ご気分はいかがですか」)
著者等紹介
繁田信一[シゲタシンイチ]
1968年、東京都生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科博士後期課程修了。現在、神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員、東海大学文学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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