内容説明
戦後死刑囚50人の事件とその“死に様”とは…。連続暴行殺人魔の大久保清は「お迎えの声」を聞いて、ガチガチと震え失禁した。一方、同じく暴行殺人鬼の小平義雄は「言い残すことは何もありません」と淡々と話し、刑場へ向かった。「おかやん、おかやん、助けてくれよ、おかやん」と咆哮した脱獄囚、菊池正。95歳の生涯を生きた帝銀事件の平沢貞通など。いまだ執行を待つ死刑囚も含めて彼らに迫った。
目次
第1章 「午前9時の足音」(戦中を駆け抜けた稀代の連続暴行魔 小平事件・小平義雄;生きて死刑制度の矛盾を表現した「獄中画家」 帝銀事件・平沢貞通 ほか)
第2章 善悪の彼岸(死を恐れ精神を病んだ元・歯科医師の獄中 雅樹ちゃん誘拐殺人事件・本山茂久;開かない「再審」鉄の扉 名張毒ぶどう酒事件・奥西勝 ほか)
第3章 灰色の青春(誘拐後10分で殺害した「19歳少年」の刹那 正寿ちゃん誘拐殺人事件・黒岩恒雄;「革命」いまだ終わらず 連合赤軍事件・坂口弘/永田洋子 ほか)
第4章 “生きたい”(古巣へ誓った「復讐」 元警官殺人事件・広田雅晴(現姓・神宮)
元警官「抗議」の上告取り下げ 山中湖連続殺人事件・澤地和夫 ほか)
第5章 私が見た「死刑」の風景(東京拘置所「地下刑場」の「アコーディオンカーテン」は音も無く開閉する―インタビュー・保坂展人(衆議院議員)
私が見た「東京拘置所B棟8階」の死刑囚たち―インタビュー・佐藤優(起訴休職外務事務官))
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinupon
64
今までに出されている本の抜き書きという感じです。2017/06/29
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
27
軽々しく言ってしまうけど、死刑は無い方がいいと思っていて、どうしてそう思うかうまく説明できなかったのだけど、これを読んでそのモヤモヤが形になってきた。つまりその執行の曖昧さがモヤモヤしているらしい。整然と順番に執行される訳でもなく、潔く罪を認めて素直に拘置される模範囚が、充分執行に耐えられるとして早い執行になったり、冤罪の疑いがある死刑囚が何十年も生き続け、冤罪の疑いがあっても先に執行される事もあり、限りなくモヤモヤしている。病気で入院加療中は執行されないけど、車椅子で執行される事はある。うーむ。2020/03/20
それいゆ
25
多数の死刑確定囚が放置されている現状、死刑執行命令書にサインしたがらない法務大臣、ある法務大臣在任中に死刑執行数が増えそのことがニュースになってしまいその法務大臣が批判されてしまうという本末転倒な状況が発生している。死刑に対する賛成反対は人によって考えも千差万別なので、どちらがいいということではないと思います。私は遺族の感情を重視したいという考えですが。拘置所長の執行前のドキュメントは初めて知ることばかりで、これだけでも読んだ価値がありました。2022/06/13
五月雨みどり
12
サーっと流し読みしかできず、現実から目を背けてしまいました。申し訳ありません。ですのでここには本の感想ではなく、死刑に対する私見を書きます。最近になって、死刑は容認できないと、若い頃とは考えが変わりました。死をもってしか償えない罪は必ずあると思います。被害者感情は凄まじいものがあるでしょう。でも、執行するのはただの公務員です。彼らの待遇はある程度は良くても、生涯苦しむでしょう。私は、死刑廃止の条件として、私刑ありきと思っています。手段を問わない私刑が前提となれば、凶悪犯罪抑止に繋がると私は信じます。2020/04/12
touhu@レポートに埋もれています
10
絵やないか!!どうりで、薄っぺらいはずや(O_O)最後の酒鬼薔薇聖斗の絵見るからに青鬼だよ2014/07/01