内容説明
日本最大の宗教団体、創価学会。会員数は827万世帯(公称)を誇る。しかし、創価学会をその内側から描いた本は、学会の機関紙や書籍を除いて、この『となりの創価学会』だけである。外部の人間が描いた初めての創価学会の現場の本といっていい。取材期間は一年を超え、出会った学会員は400人をくだらない。婦人部から女子部、青年部、未来部まで、とことん取材した本当の創価学会員たちの姿がここにある。
目次
1 知られざる創価学会(荒川区町屋三丁目 下町の学会員さん物語;南の島に舞い降りたナイチャー 沖縄一粒種物語)
2 学会の難問(宗門問題 学会対日蓮正宗の人間ドラマ;世代間継承 二世・三世はどこへゆく?)
3 信濃町学会本部・その実像と虚像(池田大作はフーテンの寅さんである!;立体証言 「池田先生」という不思議;青年部活動家覆面座談会 信濃町はクレムリンなのか?)
4 学会員という生き方(婦人部は「生活の太陽」だ! 奥様は学会員;結婚―揺れる女子部のオトメ心;友人葬も楽じゃない;谷川佳樹青年部長(現・副会長)インタビュー―学会の強さはシンプルであること)
5 信仰する理由(ほんまに人間臭い「奇跡の物語」 西成の救い主たち;学会員のガン体験 死の恐怖はどこまで乗り越えられるか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
西嶋
11
今の実質最高権力者と思われる谷川佳樹氏のインタビューや覆面座談会などやや興味深い内容もあったが、全体的には建前部分しか描けていない印象でやや残念な内容。幹部を官僚的・保守的にしているのは池田大作自身だろう。彼はおそらく会社の創業者にありがちな家父長的なリーダーで、社員や一般人には優しい父親のように振る舞い、身近な部下は非人間的に使い倒すのだろう。2017/03/04
kaoru_0508
2
「学会ていいじゃん?」とうっかり思ってしまいそうになった。ところどころは正しいけれど、例えば池田大作が40代の頃の生活を切り取って清貧とか言われても……。宝島編集部が学会に屈したのではないだろうか。そういう内容に思った。2009/11/17
masanao yasumaru
1
現役青年部学会員の覆面座談会が興味深い。学会には①末端レベルでの人間味あふれる共同体的性格と、②幹部レベルに多い官僚主義・権威主義・成績主義的性格の両面があると指摘している。外部から学会を眺めたときの印象は主に②のとなってしまいがちであるが、①の魅力があるからこそあれほどの人数が集まり、結束力のある組織であり続けられるのであろう。ただし、最近の学会は①の性質が弱くなりもっぱら②の官僚主義的組織化しつつあるように外部の私からは見えるが。2019/10/30
rivaner
1
体験談などが載っている訳ですが、全ては偶然なのです。理屈のないところに事実はありません。逆三角形の形で点が三つそろうと人間の顔に見えてしまうみたいなものです。2014/09/28
boutiquekouichi
1
久しぶりに再読。学会員でない自分からすれば洗脳の記録にしか思えないが、学会員って実際どうなのよ?という好奇心(?)は満たせる一冊。学会批判ではなく、学会内部を生々しく描き出すことを目的としている印象で個人的には読みやすかった。ただ、この本に書かれていることはあくまで学会の一側面であることを忘れてはならないと思う。2012/05/15