内容説明
この国では「自衛隊」を語るとき、あるきわめて基本的な「実態」を知ることなしに論議がされてきた。何が欠けていたのか?自衛隊という組織のなかで深刻に苦悩している幹部や曹、士たち一般隊員の憂鬱など、まったく顧みられることがなかったのだ。本書は、自衛官そのものの生々しい本音を満載した、「自衛隊」を語る際には欠くことのできない一冊である。
目次
1 FRONTLINE―従軍体験記(戦場のメリー・クリスマス;「キンタマ」たち、最後の楽園! ほか)
2 DIRTY WORK―仕事の現場(現役セーラーマン爆笑放談!;自衛隊プロフェッショナル列伝! ほか)
3 LONELY SOLDIER―兵士という人間(汚れたいのに…;わが青春の自衛隊に悔いなし! ほか)
4 OVER THE FENCE―フェンスの彼方の世間(火の見櫓とドッジボール;パトリオットの憂鬱 ほか)
5 PARADISE ARMY―大衆消費社会のなかの軍隊(自衛隊の兵器は、なぜ、高くて数も充分に揃わないのか!?;ハイテク兵器と、汲み取り便所 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
myunclek
4
ルポライターの体験入隊と、平場の自衛官の本音が吐露され面白く読んだ。この本を手にしたのも、有川浩さんの影響だけど…(笑) 自衛隊の矛盾した立ち位置。そして、我々一般市民が本気で日本の軍隊について考えなければならない現実を突きつけられたようだ。世界平和に日本人がどうかかわっていくのか…。知らん顔をしつづけたツケが、やって来たようだ。2013/12/05
みのにゃー
3
この本が初めて世に出てから二十数年。現在の姿とは違っても、その矛盾した存在に変わりなし。いろんな角度から取材してあって興味深い。有川浩の小説が建て前としたら、こちらは本音。これからの日本を考えるうえで読んでおくといい本だと思う。2015/04/04
nur1202
0
もう少し中身のある本なら良かったんだけど……。って印象。 ぶっちゃけ、自衛隊をおちこぼれたり、おちこぼれそうだったり、ただのアンチっぽい人だったり、興味のない人だったり、そんな人の文章を集めた本です。 数値以外は役には立たない本ですね。 ま、これを読んで、「自衛隊ってひどい」って思う人も出ないだろうけど、ってのが救いでしょうか。2011/12/30