内容説明
人気球団オリオールズの投手・沢村。ある日、沢村の「暴力団との癒着」と「八百長試合」を指摘した告発文書が球団とマスコミに送りつけられ、身に覚えがないにもかかわらず、沢村は自宅謹慎処分を受けてしまう。自身の潔白を証明するため、告発文書の調査を開始する沢村。やがて彼がたどり着いたのは周到に計画された恐ろしい陰謀だった!第3回『このミス』大賞を受賞した正統派ハードボイルド。
著者等紹介
水原秀策[ミズハラシュウサク]
1966年、鹿児島県生まれ。早稲田大学法学部卒業。不動産会社勤務、衆議院議員秘書(公設第二)などを経て、第3回『このミステリーがすごい!』大賞受賞、『サウスポー・キラー』にて2005年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
174
『このミス大賞』受賞作品です。野球好きな自分としてはスラスラ読めて、面白かったです。スポーツ&ミステリー、そして地味に?ハードボイルドなので、展開にも飽きがなく、登場人物もわかりやすく設定されていました。ミステリーのネタ自体は、そんなに大きなモノではないのですが、ソコは主人公をとりまく魅力的な人々のキャラでフォローしてくれています。ただ全体を通して、野球に重きをおきたかったのか、ミステリーとして書き上げたかったのか、ハードボイルド路線でいきたかったのか、少し軸がブレてしまっているように感じてしまいました。2013/06/15
ダイ@2019.11.2~一時休止
105
デビュー作。野球もので楽しめましたが、犯人の動機にはう~ん、無理があるような気が・・・。2018/02/20
takaC
94
男には堪らないハードボイルド。強いて言えばコリジョンルールの出現前に読んでおくべきだった。2017/02/10
ちょこまーぶる
60
予想していた以上の面白さでおススメしたい一冊です。凄く奥深いトリックの展開ではありませんが、プロ野球選手の嫉妬(本音)はこれ程までの深さなのだな~と思ったり、主人公の沢村投手と女優さんの今後が気になったり、引退をかけた投球に降りる駅を乗り越してしまったり?とにかく、面白かったです。野球界の八百長もテーマになっていますが、確かに団体での競技では難しい事なのに、チームメイトとの微妙な距離が切なくも思えてしまいました。プロの選手の辞めた後に襲いかかる悪の手が多いと聞きますが、気を付けてもらいたいものですね。2014/09/14
ドリル
42
初読みの作家。「このミス」大賞作品。野球関係のミステリー小説ということだったのでなんとなく堂場瞬一や本城雅人のような小説をイメージしてたが、やや軟投な感じのする内容だった。試合の描写が多いのは野球好きには嬉しいが肝心のミステリーの部分が少し弱い気がした。なんとなく犯人もわかってしまったのはマイナスポイント。それでも楽しめて読めたので評価はまずまず。黒坂美鈴との関係がその後どうなったのかは気になる。主人公の沢村がなんとなく応援したくなるキャラだったのでいい方向に向かってたらいいなと思う。(★★★)2019/07/26