内容説明
日本の古典文学研究の第一人者ドナルド・キーンが、米国市民に説いた日本の古典の面白さ不思議さ。古典に造詣の深い作家・大庭みな子の名訳でおくる、格調高く香り豊かな読物。文芸ファン必読の書。
目次
第1章 日本の美学
第2章 日本の詩
第3章 日本の詩の有用性
第4章 日本の小説
第5章 日本の演劇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆずきゃらめる*平安時代とお花♪
39
初・ドナルド・キーン氏の評論♪古典に対する親しみと愉しさを再確認ささてくれた。少し私には難し表現もあったがキーンさんは西洋人なので語彙の表現がカタカナでそれはそれで面白かった。本当に日本の美が好きな方なんだな。2018/02/22
Mayu
8
キーンさんの著作はどれも面白くて本当に感心。これだけ短く内容の濃いテキストは中々ないのでは。引用されている詩歌や散文も古典とはいえ、現代人にも意味や美しさが理解できるものが選ばれていて、楽しめました。能の成り立ちが、ちょっとわかったような気がします。歌舞伎や浄瑠璃などとの違いも…。登場する歌人や作家は教科書に出てくるような著名人ばかりですが、書かれていることは初めて知る事が多かった。訳者の方の後書きも、簡潔ですが趣きがあり、内容も共感できたので、今まで知らなかった作家さんですが著作を読んでみようと思う。2019/04/08
ペミカン
6
時間余って立ち寄った図書館で。キーンさんの日本愛には一生かけても追いつけない。万葉前期のことから能、文楽まで多岐にわたる文化をぎゅっと包んで 開いてくださって、最後は日本を終の棲家としてくださった。限りない感謝の言葉を捧げます。2021/01/07
芋煮うどん
5
すごく分かりやすく、腑に落ちることばかり。2020/07/12
ペミカン
4
四年前の本、全く覚えていなかった!!・・とりあえず 私の源氏嫌いが見直せるかな?とその部分だけ覗いてみた。確かに西欧文学では女性の扱いが惨いこと、手に入れた女をここまで面倒みることもない、、など、当時としての理想の男性像なんだとわかる。平安の世に、実際の貴族社会ではこれほど和やかではなかったこと。・・にしても太平洋戦争中に、日本文学の魅力を感じ伝えていたキーンさん、ノーベル平和賞あげたい。。2025/04/25