内容説明
規範や禁圧との相剋のなかで「性」や「身体」は物語においていかに描かれてきたのか。ジェンダー・セクシュアリティ・身体をめぐる権力と欲望の王朝文学論。
目次
1 『枕草子』・〈性差〉を越えて―清少納言と中宮定子
2 光源氏の身体と性―王朝物語史から
3 物語の「声」と「身体」―薫と宇治の女たち
4 逆光の光源氏―父なるものの挫折
5 『源氏物語』のジェンダー―権力とテクスト 座談会
6 男が男を〈愛〉する瞬間―「女の物語」としての『平家物語』は存在するか?
7 男色家・藤原頼長の自己破綻―『台記』の院政期