内容説明
賢治童話の最高傑作に位置する『貝の火』をてんかん病理的側面から照明をあて賢治の人間像、童話の全体構造を解析。
目次
ホモイの存在性格
〈けたゝましい声〉とある何ものか
ホモイの内なる闇
空からヒュウと矢のやうに降りて来たもの
ホモイの熱病―〈もじゃもじゃの鳥の子〉と「多分ひばりでせう」をめぐって
ホモイの歓喜・光と風―〈川〉という《試み》の現場
〈選ばれた者〉ホモイ―〈熱病〉と〈てんかん〉と切迫した時性
〈貝の火〉の贈呈―新たなる《試み》の開始
〈貝の火〉をめぐる両親の反応―期待されている息子ホモイ
〈貝の火〉の意味―母親の性格と錯誤
権力の美酒・ホモイの対他関係―〈大将〉ホモイと〈けらい〉狐のかけひき
ホモイの〈大将〉意識と〈恥〉意識―成り上がりの権力者と媚び追従者の輩〔ほか〕