感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
misui
9
再読。人間が作り上げてきた天国あるいは地獄の観念に読者のあなたも参加せよ(「自ら本となり、ドクトリンと化すのだ。」)と誘ってくれているように思う。天国に入るには神にならなければならないというレトリックが多く現れるのは示唆的だ。それと天国を指して「永遠につづく懇親会という妖精物語」(R・L・スティーブンソン『書簡集』)とする素晴らしい皮肉を見つけた。2016/05/04
misui
6
ボルヘスと盟友ビオイ=カサーレスによる古今東西の地獄・天国に関する言説を集めた一冊。通して読むといまいち楽しみどころがわからないがこういうのは一行でも琴線に触れるところがあればよい。「私がいくら飛翔しても行きつくところは必ず地獄。私が地獄なのだから。(魔王の告白・ミルトン)」2013/10/25
misui
4
「天国と地獄を理解するためには、互いに排他的な二つの状態、あるいは場所を考えるべきではなく、むしろ心の状態によって地獄でもあり天国でもある、ひとつの精神的世界を考えるべきである。ある人間が永遠の幸福、あるいは永遠の苦しみに値することはありえないのであるから、あらゆる人にとって地獄と呼びうる経験もあり、また天国と呼びうる経験もあるであろう。」レスリー・D・ウェザーヘッド『死後の世界』2021/02/03
misui
3
再読。スウェデンボルイ(スヴェーデンボリ)の天国と地獄の姿。「地獄の総体的な姿を見ることは私には許されなかったが、聞くところによれば、天国が全体に人間の姿をしているように、地獄は悪魔の姿をしているということである。」2017/12/07
午後
1
博覧強記の二人の編者による、古今東西の死後の世界にまつわる記述の抜き書き。聖書やコーランなどの原典から、敬虔な信仰心を吐露した詩や、スヴェーデンボルイの霊界体験、ユーモラスなアフォリズムなど幅広く天国や地獄にまつわる文章が集められている。2021/02/23