内容説明
映画と精神分析の出会い。精神分析の第一人者の著者が、70本余の映画を取り上げ、その主人公の心の動きを分析する、画期的映画評。
目次
1 愛のいろいろな形
2 対象喪失とモーニング
3 羨望とのっとり
4 幻想と現実の間
5 父母と子の絆
6 家族ナルシシズムの崩壊
7 セルフのゆくえ
8 にせのセルフとナルシシズム
9 アイデンティティの対立を超えて
10 秘密の心理
11 中年の心の危機
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えふのらん
1
著者が精神分析学の大御所というだけあって、切り口が巧かつわかりやすい。ブリキの太鼓やアマデウスなど、史劇として扱われることの多い映画までも対象としてしまう所なんかが面白かった。2013/06/16
n.s.
1
道とか、ソフィーの選択とか、シラノドベルジュラックとか、好きなタイプの映画が大量にレビューされててびっくりした! 心理学的なところをきちんと押さえている映画は人に訴えかける力が大きいのではと思います。 難しくても、理解・共感できるから。それを一瞬切り取るだけで表現してみせる。多くの人の手が同じものを目指して集約される映画ってすごい。2013/04/24
かわけい
0
精神分析学者である著者が、映画を題材とした講義である。とてもわかりやすく丁寧に説明してくれます。とくに4章の羨望が、気になりました。私たちは、自分の持っていない、才能やお金、自由な生活をしている人に憧れたりします。その羨望の気持ちが強くなるとねたみや、嫉妬の感情になり相手の持っているすべてを奪いたくなったり、壊してしまいたい気持ちになります。太陽がいっぱい、では相手を殺して自分が、なり替わろうとします。私の気持ちの中にも潜んでいる心かもしれません。これから映画を見るときには、今までよりも、深く見れます。2015/01/28