内容説明
戦時中、国際都市上海は列国情報のメッカとして宣伝謀略、間牒とび交い、白昼暗殺横行する魔都であり、上海事変、支那事変は起こるべくして起きたと云える。上海憲兵隊はこの渦中にあってどう対処し、どう活躍したかを憲兵史編者が多数の証言と資料を駆使して刻明に画く。元憲兵100名以上の、証言と資料提供による、国際軍事警察軍団のドキュメント。
目次
第1章 滄桑の変(巨大なる魔都上海;特高憲兵出動;第1次上海事変;日本の上海進出;中国革命と上海;上海派遣憲兵の沿革;上海憲兵隊)
第2章 倒行逆施(世界列強の秘密機関;上海暗黒街の顔役;汪兆銘の上海潜入;処刑非情)
第3章 暴虎馮河(児玉機関の出現;租界対策;共同租界の明暗;租界内の隠密工作)
第4章 黄塵万丈(開戦前夜;上海租界進駐;コンテ・ベルデ号の悲劇)
第5章 馬馬虎虎(警乗派遣隊;万墨林と死の拷問;上海憲兵隊の最期;上海軍事法廷;戦乱に生きる)