感想・レビュー
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崩紫サロメ
13
元紅衛兵だった青年と、紅衛兵に父親を殺された女性との出会いから別れを描いた物語。と言っても恋愛色よりも主人公の青年の成長物語という側面が強い。ここに出てくる北方の河とは、文革期に下放されたエルティシ河や父との葛藤の中で描かれる黄河、打ちのめされた後に再び歩み始める中で出会う黒龍江など。中国ムスリムである著者は「紅衛兵」名称を初めて用い、それが毛沢東によって採用されたという過去を持つ。自伝ではないが、著者自身の葛藤の物語として胸を打つものがあった。2021/02/11
