内容説明
ヤネセン“谷根千”―山手線の内、東京のほぼ中央にある、台東区谷中、文京区根津、千駄木を合わせた地域の愛称。日本橋や神田のようなもともとの下町とは異なり、植木の里、寺社詣や花見の名所として盛んになって比較的新しく開けた。しかし近代に入っても震災・戦災での焼失が少なく、いまでは下町的な面影を残す数少ない地域となった。数多くのお寺とその間を縫う坂、そして「路地」が織りなす特徴のある都市空間は、東京でもひと味違った魅力を発している。しかし一方で、近年は地上げや再開発の波にもまれて徐々に変貌しつつあるのも現実。住み続けることの難しさを抱えながらも、なお、人を惹きつけるこの町をフィールドに、都市のほんとうの豊かさとは何かを考えさせてくれる、もうひとつの東京・都市論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ayumi Shimojoh
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日暮里図書館。図と写真がいっぱいで、モノクロの路地写真、木造家屋のスケッチがいい味わいの本。路地ごとのストーリーききとりも面白い。路地に惹かれる。なぜか、何に惹かれるのか、緑か、木造家屋か、遊び場?それらを丁寧に探る。谷根千地域で20の例をピックアップし図面化。調査は86年。87年小冊子。95年書籍。そこからさらに30年経過。記録として持っておきたいような。地図で確かめて現地を見てみたい。自分もこの路地要素を、身の回りで探してみたい。荒川区。いっぱいあると思う。2025/06/11